コンサルタントには「迷惑」を掛けるべき。(第600回)

※2017/9/2の記事です。

こんにちは、エスノです。

もう9月ですねえ。

昨日今日は関東は、もはや
秋の気配が漂っているどころの
騒ぎじゃないくらい涼しかったですね。

季節の変わり目は体調崩しやすいので、
細心の注意を払って気を付けていきましょう。

さて一昨日、いつものように午前中から
スカイプでコンサルを実施していました。

スカイプのお相手のNさんは、
昨年の11月に個別コンサルに
はじめ2ヶ月、あとから1ヶ月追加して、
3ヶ月間申し込んでくださり、現在は、
BUYMAアカデミアに参加してくださっています。

乳児一人を含む4人のお子さんを抱えながら、
日々BUYMAと格闘するママさんなのですが、
最近なかなか思うように出品が出来ない
という悩みを抱えていました。

そこで、これもいつものように、
スカイプの画面共有機能を使って、
実際に作業をしてもらい、それを見ながら、
なにが良くないのかチェックしていくと…。

なんということはない、けれども、
自分だとなかなか気付けないことが、
スムーズに作業することを阻害していた
ということが分かりました。

たとえば、とあるショッパーの
「販売履歴」に出ている商品、
つまり、「確実に1件は売れた商品」を
リサーチの対象に選んだときに、
商品ページを開いてみたら、
すでに「在庫なし」になっている。

こういうときに、そこで一度立ち止まらず、
そのまま買い付け先を探そうとしてしまっていたりとか。

もちろん、ライバルが在庫切れだからといって、
その商品が売れていた(≒人気がある)ことには
違いないわけですから、その商品の買い付け先を
探しに行くことは、本質的には間違っていません。

ただ、最近受注があったライバルが在庫切れ、
ということは、そのライバルの買い付け先には、
もう在庫がない可能性が高いわけです。

(「販売履歴」ではなく「最近売れたアイテム」だと、
売れたのが本当に直近過ぎて、商品ページを
単純に修正していないだけの可能性もありますが)

それは、もしそのライバルが、
同じ商品を出品しているショッパーの中で
たとえば価格が一番安いなど、
最も優位性が高い出品をしていたなら、
その優位性のある買い付け先からは
もう買い付けできないということです。

それ以外の同じくらいの
優位性を持つ買い付け先を探すのは、
ちょっと手間と時間がかかる可能性が出てきます。

なので、もしそのまま買い付け先を探しに行くなら、
商品から得られるリターンが大きくないと
割に合わないわけです。

しかし、実際に昨日のスカイプで選んだのは、
そこまで売れているわけでもなく、利益単価も、
おそらくそれほど大きくない商品でした。

繰り返しますが、ライバルが在庫切れ
の商品の買い付け先を探すのは、
本質的には問題ありません。

ただ、コストパフォーマンスを
ちゃんと考えてあげないと、時間を
使うだけ使って見つからなかったり、
あるいは、仮に見つかっても、
結局得られる利益はそうでもない、
という残念な結果になる可能性が高まるわけです。

難しいのが、普段は、リサーチする商品の
コストパフォーマンスを意識しすぎないほうがいい
という点です。

出品前から、どのくらい売れそうか、
どのくらい利益を取れそうかというのを
考えすぎると、基本的にあれこれ目移りして、
結局何も出来ずに終わってしまったりします。

なので、基本的には、「1つ売れている」
という基準でぱっと選んでしまったほうが、
結局いろんなライバルや買い付け先を
見たり探したりする経験が得られるので、
ショッパーとしての実力はついていきます。

つまり、普段は、コスパを
意識しないで作業を行ったほうが、
結果的に経験値が上がっていくので、
力がついていく。

しかし今回の「ライバルが在庫切れ」
というケースは、その限りではないわけです。

「コスパは重要」

「だからコスパを意識してリサーチを止める」

というのと、

「だからコスパを意識しないでリサーチをする」

というのは、背反ではなく、
状況によってどちらも成り立つということです。

これは余談なので、分からない方は
読み飛ばしてもらっていいのですが
ハンター×ハンターのキメラアント編で、
キメラ化したパームが、イカルゴに対して、

「王が大事にしている人間がいる」

「だからその人を守る」と

「だからその人を殺す」は

どちらも成り立つのよ

と話すシーンと似たような構造ですね。

王メルエムが大事にしている人間であるコムギは、
メルエム自身とその命を重視するピトーにとっては、
守るべき存在ですし、種族の頂点として王に
振る舞って欲しいプフにとっては、その根幹を
揺るがす存在になりかねないのでいてほしくないわけです。

今回のケースで言えば、基本的には
目の前の商品の短期的なリターンを
考えすぎずに手を動かしたほうが、
長期的に見て実力が付きます。

とはいえ、やはりあえて時間がかかり
過ぎそうなものを積極的に選んでしまうと
コストが不必要にかかってしまうということです。

普通に考えれば、AからはBという
結論しか導けなくても、そこからひとつ
視座を上げて考えたときに、Aから、BもCも、
あるいはDもEも成り立つことはよくあります。

こんな感じで、「買い付け先を探す」
というシンプルな作業ひとつとっても、
「画一的に判断できない状況」というのは、
往々にして存在しています。

それは、状況次第でもあったりしますし、
同じ状況であっても、自分のステージが
変わってくると、そのせいでまた変化
する可能性もあります。

しかし、多くの方は、うっかり、
どんな状況でも「これはこう」
とやってしまいがちです。

そのほうが心理的な抵抗が少なく、
楽に感じるからです。

それを改善するにはどうすればいいか。

私はとりあえず2つあると思っています。

1つは、何か行動するとき、選択するときに、
常にその意味や目的を考える習慣を持つ
ということです。

先ほどの例で言えば、
「買い付け先を探す作業」は、
作業をすること自体が目的ではなく

・利益を生み出せる条件で出品できる
買い付け先を探すこと

・その過程でざまざまなライバルや
買い付け先をチェックし経験値を積むこと

この2つが真の目的です

それを、限られた時間の中で
出来るだけ多くトライする必要があります。

この3つの視点から、
自分が今しようとしていることは、
妥当かどうかというのを常に考える。

慣れている人にとってはなんてことなく、むしろ
そう考えないことのほうが逆に難しいのですが、
そうでないとけっこう最初は混乱すると思います。

こういう思考で作業を行うのを、ごく自然に
自分のものとして出来るようになるには、
とにかくそういう思考をする機会を
自分の中でたくさん持つしかありません。

ここで、それを邪魔するのが、
BUYMAでいえば、たとえば、

・カテゴリはどれがいいのかな?

・プレミアムだから勝てないかも…

・自分には20万円の商品なんてまだ早いのでは?

・今なら秋冬モノをリサーチした方がいいのか、
それとも価格が安いセール品でもいいのか?

みたいな、「余計な思考」です。

こういう邪念のようなものに、
脳みそのリソースを余計に使ってしまい、
一番考えなければいけないことに対して、
思考が深まりきらないわけです。

とにかく目の前の一見シンプルな作業に対して、
まずは考えられるだけ考えられているかというのを
軽視しないように気を付けたいところです。

もうひとつの改善方法は、
行った作業をとにかく書き留めて、
その書き留めた「事実」を元に
振り返る機会を作るということです。

いくら気を付けていても、
やはり作業をしている当事者は、
その瞬間は没頭しているので、
意外となにかを見落としてしまっている
ということも多いです。

それを客観的に振り返るには、
しっかり書き留めないと難しいです。

(動画でキャプチャー取っても
いいかもしれませんね。)

コンサル生にはそういう目的で、
毎日日報としてその日の活動を出来るだけ
詳しく具体的に書いてもらうようにしています。

理想は毎日私が隣りに座って
作業を一緒にすることですが、
それはさすがに現実的ではありません。

ただ、なるべくその状況に近づけるように、
活動内容を毎日具体的に書き留めてもらって、
それに対して日々フィードバックしているわけです。

ところで、これに関して、
先週のBUYMAアカデミアのワークショップで、
先月から参加してくださっているYさんと、
こんなやりとりをしました。

エスノ

「どんなライバルの商品を選んで、
どんな探し方をして、どんな結果だったのか、
というのを、とにかく出来るだけ具体的に、
URLとか入れてたくさん書いてくださいね。

特にやはり買い付け先が見つからなかった
という状況を書き留めてもらって、それの
フィードバックを日々繰り返していくのが重要ですので。」

Yさん

「!? そんなことしていいんですか??」

エスノ

「いや、前からそう言ってるじゃないですか^^;

逆にそれをしないでどうやって
今できないことをできるようになるんですか?

というか、なぜしてはいけないと思ってたんですか?」

Y

「いえ、そこまでしたら迷惑だろうと思って…」

細かい部分はちょっとうろ覚えですが、
こういうやりとりをしました。

状況は違えど、実はこれは
これまでYさん以外に対しても、
何度も繰り返したことがあるやり取りです。

教える側に気を使っても、
それは教わる側の利益には
一切つながりません。

それどころか、聞こうかな、でも
聞いたら悪いしな、という思いが巡り、
それが集中を削ぐ原因になり、もちろん、
上手く行かない状況も変わらないし、
何もいいことはありません。

教える側と教わる側の、
唯一の共通の目標は、

「教わる側が成果を伸ばす」

ということです。

ところが、教わる側が教える側に
遠慮するというのは、その目的と
まったく逆の行為です。

教える側のコンサルタントになんて、
むしろどんどん「迷惑」をかけるべきです。

もちろんこの場合の「迷惑」とは、
「非常識で無礼な行為」ではなく、
「手間を掛けさせる」ということです。

過去に他の塾とかコンサルを受けていた方から
よく聞くのですが、「質問をするときは、
過去のチャットを全部自分で遡ってから」
みたいなことを言われることが多いそうです。

これは明らかに、

「教わる側が成果を伸ばす」

というのが目的ではなく、

「教える側が楽をしたい」

というだけの話です。

「そうやって自分で調べて、
自分で考える習慣を持つことが大事」
と言われるケースが多いようですが、
そんなのはただの建前でしかありません。

コンサルタントにかかる手間を削減するのは、
コンサルタント自身の課題です。

その手間を、そもそも「利益を出す」
という部分に全力でフォーカスすべき
教わる側に転化させるのは、どう考えても
全体最適にはなっていません。

私の場合、とにかく何でも聞いてもらって、
「あ、今のこの人なら自分で考えれば
答えを出せるな」という場合にのみ、
「ちょっとこういう視点で考えてみては?」
という返答をします。

初めから「自分で考えろ」では、
以前青木さんとの対談音声でも
話したことですが、そもそもコンサル以前に、
コミュニケーションがちゃんと取れないからです。

まずベースの関係性をちゃんと築けるようにした上で、
BUYMAで利益を出すには、という一段上の話も、
忌憚なく話せるようになります。

そうは言っても、教わる側からしたら、

「手間をかけさせすぎて、
コンサルタント側からの印象が悪くなったら、
それは教わることに対してマイナスなのでは?」

と思う心理も理解できなくはないです。

ただ、こうやって文章にしてみると分かりますが、
本当にそんな懸念を抱くような相手から、
コンサルは受けないほうが懸命なのは
言うまでもありませんね…。

話を戻すと、とにかく、自分が持つリソースを、
すべて「利益を出すこと」に集中させることが
出来ているかどうか、ぜひ自分の胸に
問い掛けてみてほしいと思います。

これは、単に活動できる時間の
絶対値を増やすという意味ではなく、
その時間の中で気力(集中力)も体力も。
一滴漏らさず「利益を出す」という
目的に使えているかということです。

先ほどの、コンサルタントに、
余計な気を使ってしまってもやもやする
みたいなことはもちろん、体調やストレスの
コントロールというのもすごく重要です。

ラグビー日本代表を劇的に躍進させた、
元代表ヘッドコーチのエディ・ジョーンズは、

「成果を出す人というのは、
成果を出すために必要なことだけに
とにかく注力して、それ以外のことを
出来るだけ排除する」

という主旨のことを言っていますが、
まさにその通りです。

当たり前過ぎる話ですが、
意外とこれが出来ていない場合は
本当に多いので、ぜひご自身に
当てはまる部分がないか考えてみてください。

ではではー。

P.S.

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