時価総額のために終わる「BUYMA海外版」で思い出す残念な話(第860回)

※2024/5/30の記事です。

こんばんは、エスノです。

ちょっと遅くなりましたが、
先週月曜日に突然発表された、
英語版BUYMA閉鎖の件についてです。

まあそもそもそんなに上手くは
いっていなかったわけですが、
特にここ1,2年くらいは、受注が
あったという話をほとんど聞かず。

直近の決算資料を見ても、
昨期の総取扱高は前年割れの
9億にいかないくらい、つまり、
売上で1億にも満たない規模でした。

これをもって、2013年の
「BUYMA korea」のリリースから
約10年続いた海外展開は、ここで
一旦幕引きするということになったわけです。

ただ、この判断は、今後の
英語版の見込みが望めないから
というよりは、もっと大きい視点
からの経営判断かなと思います。

エニグモにとって喫緊の課題は、

「プライム市場への上場維持」

に他なりません。

その基準や基準適合のための
計画書が以下です。

https://enigmo.co.jp/wp-content/uploads/2024/05/ir_20240426_YAM2.pdf

この中で一番ネックになるのが、
流通株式時価総額で、これが、
基準となる100億にまったく足りていません。

(今日時点で60億ちょっとです)

昨期決算発表時に、
久しぶりに中期計画として、
3年後の決算での売上100億
という目標をぶち上げ、直後は
それが好感され、一時的に
株価は大きく上がったものの、
2ヶ月後の今はまた低空飛行中。

ということで、しばらくは、
こうやって風呂敷を広げながら、
たまに株価を持ち上げること。

そして、実態ある事業として、
BUYMAの売上を維持しながら、
BUYMA以外の売上と利益を、
積極的なM&Aも行うことで生み出し、
なんとか上場維持基準の適合を目指したい。

こういう背景が今ある中で、
やはり直近の芳しくない業績だと、
新規の採用活動に力を入れたり、
大々的にプロモーションを行う
というのではなく、今あるリソースを
如何に振り分けていくのかという
判断をすることになるわけです。

そうなると、優先度の問題で、
将来性がないとは思っていなくても、
すぐ伸ばすことが難しい英語版
ではなく、そこにかかるリソースを
国内版や他の事業に割り当てよう
というのは分からなくはありません。

と、ここまでが、英語版終了
そのものについての私の見解です。

ここからは割とどうでもいい話です。

私が主宰のBUYMAアカデミア
というコミュニティでは、BUYMAに
関連する様々な商材やサービスの
「レビュー」をするというコンテンツをやっています。

世の中には、BUYMAに関する、
有料の情報やサービスというのが
どうやらいろいろあるらしい。

そういったものについて、
アカデミアメンバーからリクエストを
いただき、私が実際にそれを購入し、
そのレビューをコミュニティ内で
公開するというコンテンツです。

(レビューなので、コンテンツの
中身そのものを公開したりはしません。)

意外なことに(?)、今まで
そんなにリクエスト自体がなく、
公開したレビューは3つだけ
なのですが、そのうちのひとつが
「BUYMA海外版をやろう」というものでした。

それだけなら別に、
なんてことはないのですが、
その教材の販売ページには、
「BUYMA海外版について」
という文言は一切なく、あくまで、
BUYMAで活動している著者が、
売上・利益を伸ばすために
実践している「ブルーオーシャン」
についてまとめたものという書き方だったのです。

そういう、いかにも
多くの人には知られていない
良いノウハウがあるというような
演出も手伝ってか、この教材は
かなりの数が売れていたようです。

これを私は、詐欺とまでは
言わないですが、あまり
誠実なやり方ではないな
とは思いながら購入した
わけですが、内容はまあ
そういう売り方から推して
知るべしというレベルのものでした。

それ以上に残念だったのは、
少なくとも半年くらい前から、
その教材の閲覧ページは
ドメイン切れになり、そもそも
読むことすらできなくなり、そして
それに関するフォローも何もなし。

さらに、著者からの
フォローもなければ、購入者が
騒いでいる様子も特になく、
結局、当時購入した人たちも、
買って読んで満足して、それを
本当に活かそうとして取り組んだ
というわけでもなさそうでした。

何なんでしょうね、これは…。

という話を思い出して、
なんだか残念な気分になった
BUYMA海外版終了のニュースでした。

ではではー。

P.S.

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やってはいけない「リサーチあるある」とは?(第859回)

※2024/5/6の記事です。

こんばんは、エスノです。

あっという間に今年の1/3が
終わってしまい、気付けば
GWすら終わりそうな今日。

今年の連休は、コロナ以前
にだいぶ戻ってきた感触で、
正直あまり売れ行きは良くない印象です。

(4/30とか5/1はよく売れた人が多かったですが)

それに加えて、直近の
為替変動の激しさには、
なかなか振り回された人も
多かったと思います。

一時はドル円160円、
ユーロ円では170円まで
駆け上がったと思ったら、
そこからあっという間に、
1ヶ月前くらいの水準まで
急落してしまいました。

どこかで為替介入する
ということは分かっても、
そのタイミングが正確に
読めなければ、それは
考えるだけ無駄です。

大きく円安に触れたなら、
そのときに無在庫出品の
商品価格は変更する。

在庫として買うかどうかは、
その時点での為替レートで、
利益が出るかどうかで判断する。

それで十分です。

自分でコントロール不可能
なことについて悩み、徒に
時間を浪費するのではなく、
自分がその時にできること
にしっかり注力することが
どんなときでも大事ですね。

そうすれば、
「まぐれのホームラン」
は難しくても、「必然のヒット」
を積み重ねていくことができます。

そのほうが、事業としては、
健全に運営できますね。

さて、例によってすでに、
今年の夏のプレセールが
徐々に始まってきています。

VIP割引などで受けられる
割引以上の割引率が、実は
プレセールで提示されていた
ということがあったりするので、
ちょっと気を付けてみてください。

ただ、「やった、30%OFFだ!」
と思って、実際に買い付けようと
カートに入れたら、その商品は
割引適用外でした、ということも
よくあるので、そこも注意です。

先月から個別コンサルを
新たに受講してくださっている
人たちとの関わりの中でも、
この「カートに入れて確認する」
というような「基本」の重要性を
最近改めて感じています。

他にもリサーチのときに、
慣れていない方がよく陥る
「やってはいけないあるある」
にも、最近よく遭遇します。

今回はそのうちの
1つを紹介しますが、それは

・同じ商品を出品する他の出品者(ライバル)を確認せず買い付け先を探すこと

です。

ライバルを確認しないで、
買い付け先を探しに行くのは、
本当の優位性や差別化要素が
何か分からないままリサーチ
することになるので、結果的に
効率が悪いです。

分かりやすい例で言えば、
最初に選んだ出品者が、
必ずしも一番安い価格で
出品しているわけではありません。

その最初に選んだライバルに
勝てる仕入先をやっと見つけた
と思ったら、実際はもっと安い
他のライバルがいたということは
誰もが経験のあることでしょう。

出品する際に、絶対に
最安値にしないといけない
という話ではなく、現実として、
「自分が探し当てた仕入先より、
もっと安い仕入先がある」ということが問題なのです。

仮に、あるライバルを、
直近で売れた実績がある
という理由で選んだとしましょう。

そして、自分が探した仕入先なら、
その実際に売れた価格よりも安く出品できる。

それなら、売れる可能性はあり、
出品する意味はあるのでは?
という気持ちも分かります。

そして、単に「可能性」という
意味ならそれは確かにそうです。

しかしそれは「0ではない」
というくらいの話でしかありません。

その可能性が、ある程度
高いところで勝負できない
ということであれば、それは
現実的には可能性がないというのと同義です。

少なくとも、そういう前提、
マインドで活動していかないと、
いつまでも、ちゃんと利益が
出せるようにはならないです。

実際のところ、出品したあと、
受注以前に、まずアクセスを
集めるという過程を考慮すると、
少なくとも最安値付近での価格で
出品できなければ、やはり、
その「売れる可能性」は絵に描いた餅ですらありません。

あるいは、ライバルを
しっかり確認しておかないと、
価格では勝てずとも、サイズで
差別化して出品できるという
ケースを見過ごしてしまうこと
にもつながってしまいます。

お客さんからすれば、靴や
洋服などサイズがある商品は
サイズが違えば別商品です。

最初に選んだライバルの
表示価格が安いことだけに
フォーカスした結果、その
ライバルが全然サイズを
出品できていなければ、
付け入ることができる隙は
かなり大きいです。

そういう意味でも、
ちゃんとライバルを比較してから
仕入先を探しに行かないと、
機会損失になる可能性があります。

こういう基本を疎かにして、
良いことは一切ないので、
ぜひ改めて気を付けてみてくださいね。

ではではー。

P.S.

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