東京マラソンの収益を押し上げる方法がハイテクすぎた(第560回)

※2017/3/7の記事です。

こんにちは、エスノです。

先日東京マラソンに参加した友人から
面白い話を聴きました。

東京マラソンには、まず参加するのに
1名1万円の参加費が必要になります。

ランナーの数は約3.5万人なので、
これだけでもすでに億単位の収入
なんですが、+αの利益を生み出す
面白い仕組みがあります。

(正確には東京マラソン自体の
利益にはならないようですが)

それは何かというと、「写真」です。

今もあるのかちょっと分からないのですが、
私が小学生のときは、遠足とかに行くと、
引率の先生たち以外にカメラマンが帯同して、
遠足の様子を撮影しまくり、後日学校で、
廊下の壁一面に張り出された写真の中から、
自分が欲しい写真を選んで購入するという商売がありました。

これと似たようなシステムが、
東京マラソンにもあって、
ランナーは走ったあと、専用のサイトから、
走っている様子を撮影した写真を
現像orデータで購入することが出来ます。

ただ、すごいのが、

「写真に写っているランナーの
ゼッケンの番号を読み取って、
その番号が写っている写真だけが
自動的にピックアップされる」

ということです。

要するに、自分がゼッケン番号1000だったら、
1000番のゼッケンが写っている写真だけを、
自動的に抽出して購入できるということです。

確かに、莫大な量の写真から、
小学校の遠足システムと同じ方法で
自分が欲しい写真を選ぶことは
あまりにも手間がかかります。

技術的に不可能ではない
ということは知っているので、
さもありなん、という感じですが、
それにしてもそういう時代なんだなあ
ハイテクだなあと思いました。

話はちょっと逸れますが、
経産省が公開している資料の中に
以下のようなものがあります。

http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/shin_sangyoukouzou/pdf/008_05_01.pdf

去年の4月くらいの資料なんですが、
急速に発達するテクノロジーに対して、
これから日本がどう向き合わなければ
いけないのかという話が、かなり
具体的に示されています。

(資料p.5~13あたりが分かりやすいと思います)

日頃、ネットやテレビのニュースで
聞く話ではありますが、なんとなく
どこか「未来のこと」という印象が
あったりするかもしれません。

こういう話題は、だいたい
イーロン・マスクやピーター・ティールや
ホリエモン、あるいは、Googleとか
amazonとかfacebookとか、ちょっと
常軌を逸した人・企業とあわせて語られるので、
余計そんな印象を受けがちです。

しかし、お堅い日本のお役所が、
こんな風に大真面目に議論しているのを見ると、
これが本当に近い将来訪れる
「現実のこと」なのだと、改めて実感します。

非連続に発展する世界の中で、
今までSFの中の話でしかなかったことが
現実のものになろうとしているわけです。

誰も見たことがない新しい世界を
思い切り楽しんで味方につけられるのは、
過渡期である今、その準備が出来た人でしょう。

その余裕を持つことが出来るのは、
現時点での世界の構造の中で、
自立し、様々な選択肢を持つ人です。

目の前のビジネスを頑張る目的と
その目標は、人それぞれだと思いますが、
実はその先に、これから大きく変貌する
世界の構造との邂逅があったりします。

少しスケールの大きな話ですが、
視野を広く持ってみるのも面白いですよ
という話でした。

ではではー。

P.S.

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「掛け算の順序」問題から考える問題解決の基礎(第544回)

※2016/11/26の記事です。

こんにちは、エスノです。

一昨日の木曜から
ブラックフライデークーポンが
発行されましたね。

さらに来週月曜日には、
昨年同様、サイバーマンデーの
大幅割引クーポンの発行があることも、
昨日事務局から発表されていました。

今発行中のクーポンは、
割引額こそ1000円OFFと小さいですが、
何度でも利用可能なのがいいですね。

週明けのクーポンの割引額も楽しみです^^

さて、今日はBUYMAとちょっと違う話をば。

突然ですが問題です。

太郎くんは、友達3人に、
それぞれ6個ずつアメをあげました。

太郎くんは合計何個のアメを
友達にあげたでしょうか?

もちろん答えは、18個です。

このような算数の掛け算の問題は、
小学校低学年のときに、誰もが
解いたことがあると思うのですが、
実はこの掛け算の文章題が、以前から
ちょっとした議論の的になることがあります。

それは、この答えを導く「計算式」についてです。

小学校の先生の中には、
この答えを求めるときの計算式を、
6×3=18と書かず3×6=18と書くと、
不正解にする方がいるそうです。

なぜならば、小学校の授業では、

「一人あたりの個数×人数=合計の個数」

と教えるので、たとえ、
最終的な答えが合っていても、
それを導く過程が教わった通りでないと、
正解とはみなせないから、とのこと。

もしかすると、ご自身、あるいは
ご自身のお子さんが、同じ経験を
したことがあるかもしれません。

この「不適切」な判断に対して、
茂木健一郎など一部の著名人が
ちょこちょこ噛み付くというのが
よくある流れだったりします。

この教師側の判断を受けて、
茂木健一郎は

「子供に対する虐待と言っても過言ではない」

と評しました。

一般性も論理性もない、
「その場所(小学校低学年)でしか通じないルール」
を子供に強いることは、他ならぬ
大人による虐待だというわけです。

その表現が適切かはさておき、
当然ですが、6×3=18と書かず、
3×6=18と書いただけで不正解
とするのは、ちょっと乱暴です。

数式には解を求める以上の意味はなく、
その順序で解が変わらないのなら、
「間違っている」とは言えません。

ただ、この計算式の順序を
指定したとおりに書かせる側も、
簡単には引き下がりません。

そして、よくよく聞いてみると
向こうなりの言い分もあります。

曰く、「確かに計算式の順序で
解答が変わらないというのはその通りで、
『数学』的にはそれは正しい。

しかし、実際に小学校低学年の『算数』を
教えている人間からすると、

「一人あたりの個数×人数」

と教えているのに、その通りに書かないのは、
「本当に問題文の意味を理解できているのか」
という点で疑問が残る。

太郎くんは、
3人の友達にアメを6個ずつあげたのであって、
6人の友だちにアメを3個ずつあげたのではない。

もしかしたら、ただ単に、
文章に登場する数字を×の両側に置いただけで
ちゃんと文章の意味を読み取って
計算式を作れているのかが
3×6=18では分からない。

なので、小学校低学年の『算数』
という次元であるからこそ、
解答までの過程を重視して、
不正解としている。」

多少人によって差はあると思いますが、
おおよそこんな感じです。

これについては私も思い当たるところがあって、
大学時代にやっていた塾講師のバイトでは、

「掛け算の授業だから」、

文章題に出てきた数字同士を

「とりあえず掛ける」

という脊髄反射的なことをする生徒は
実際のところけっこういました。

掛け算の計算自体は、文章問題が出てくる前に、
散々九九の暗記を繰り返しさせられているので、
基本的にはみんな出来てしまいます。

この反射的な行動を目の前で見ると、確かに

「この子は、この先のもうちょっと複雑な
文章題が出てきたときに大丈夫なのか…」

と不安になる気持ちも分かります。

問題文の中に出てくる数字を
ただ掛ければ解答が出るという時代は、
ご存知のようにすぐに過ぎてしまいます。

もしその変化についていけないと、
その子は勉強が嫌になって、
最終的には挫折してしまうのでは?

掛け算の順序で不正解にする側には、
こういった割と良心的な不安があるんだと思います。

(もちろん、完全に形式的に不正解にしてしまう、
まったく脳みそを使っていない先生もいるでしょうが。)

実際、この不安は、最近以下のような記事で、
確認されているような気もしています。

■AI研究者が問う ロボットは文章を読めない では子どもたちは「読めて」いるのか?

http://bylines.news.yahoo.co.jp/yuasamakoto/20161114-00064079/

この記事によると、

「公立中学校生340人のうち、

約5割が、教科書の内容を読み取れておらず、

約2割は、基礎的な読解もできていない

ことが明らかになってしまった。 」

という驚愕の結果が出ています。

(この場合の「読む」がどのレベルを指すのかは、
上記の記事をご参照ください。)

結局多くの生徒は、問題の、
「パターンとキーワード」しか認識しておらず、
文章に書かれていることを読み取って、
答えを導き出してはいないということです。

そしてそれは「人工知能」の得意分野なので、
このままだとこれから先の時代に出来る仕事が
どんどんなくなっていくという話も出ていました。

ただ、驚愕とは書きましたが、
実際に塾で教えていた立場からすると、
先程も書いたように、そこまで
違和感のある結果でもなかったりします。

さて、話がちょっとそれましたが、
そもそもの計算式の順序の話です。

結局、茂木健一郎をはじめとする

「計算式の順序で不正解にするのはおかしい」派

「計算式の順序は極めて重要」派

は、それぞれ論点が違うわけです。

前者は、純粋な「計算」という点を、
後者は、生徒の「読解力」という点を、
それぞれ問題視しているということです。

いずれの要素も、子供の将来には
間違いなく重要なものではありますが、
これでは結論が噛み合うわけがありません。

ということで、この件に対する私の見解は、

太郎くんは、男の子の友達にアメを2個ずつ、
女の子の友達にアメを3個ずつあげました。

女の子の友達は5人、
男の子の友達は6人いました。

太郎くんは男の子の友達に、
合計何個のアメをあげたでしょうか?

こういう問題を解かせればいい
ということになります。

これならば、登場した数字を使って、
適当に計算式を作っても間違うので、
正しい「計算」が必要になりますし、
そのためには文章の内容を把握する
「読解力」も必要になります。

(この問題を解くに当たって、
6×2=12を「不正解」とするなら、
それはただの思考停止の形式主義
と言えるわけですね。)

セールシーズン早々に
まったくBUYMAとは関係ない話題ですが、
実は今回取り上げた話も、突き詰めれば、
ビジネスの成果に関わってくる部分は大いにあります。

自分は本当に「読めて」いるのか?

今考えている「論点」は本当に正しいのか?

BUYMAにある程度特化した
テクニカルな知識だけでなく、
より本質的な考える力を支えるスキルも
あわせて高めていきたいところですね。

そのための「教材」は、
けっこう身近なところにあったりします。

ではではー。

P.S.

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大きく動く世界情勢の中で私たちがすべきこと(第542回)

※2016/11/15の記事です。

こんにちは、エスノです。

アメリカの次期大統領に、
トランプが事実上決定したことを受けて、
為替が円安方向に大きく変動しています。

ドルも上がってますが、ポンドの変動も
見逃せないレベルです。

一方でユーロは静かなものですね。

プレセールのお知らせも届き出す中で、
慌ただしいことこの上ないですが、
ドルやポンドで買い付ける予定の商品は、
ちょっと価格の見直しをしておきましょう。

そのトランプですが、政権移行チームに、
ピーター・ティールが参加していることが
つい先日発表されました。

ピーター・ティールはシリコンバレーを
中心に活動しているベンチャーキャピタリストです。

私たちがよくお世話になっているpaypalを
生み出し、それを売却した資金を元に、
FacebookやAirbnbなど、様々な企業に
投資している彼が、これからのアメリカの
政治の中枢に関わるという意味は
非常に大きいものだと思います。

なにせこのピーターティール、
そのトンデモぶりは、はっきり言って
トランプの比ではありません。

一昨年発売されベストセラーとなった
「ゼロ・トゥ・ワン」の中にも書かれているように、
彼が現在投資している事業には、
「1,000歳まで寿命を延長する研究」や
「どの国家からも治外法権を保つ海上都市建設」
など、常軌を逸しているものが多数あります。

もちろん、もうちょっと現実味があって、
社会全体に認知されつつある事業、
たとえば自動運転やら航空宇宙関連にも、
イーロン・マスクの会社などを通して
資金を投入していますが、いずれにしても、
このレベルの起業家であり、投資家でもある人が、
(そしてそもそも、政府を必要ないと考えている人が)
政治にどんな形で参画していくのか興味が尽きません。

しかし、先日も書いたように、
こういう大きな社会の変化に際して、
私たちがすべきことは今までとそう変わりません。

とりあえず目の前の自分のビジネスを
淡々と頑張るだけです。

ただ、そうやって頑張って選択肢を増やした結果、
待ち受ける未来で、気軽に宇宙旅行をしたり、
自動運転で気ままに北海道で牧場見学をしたり、
日本とヨーロッパを数時間で移動できたり、
病気知らずでいくらでも自分の好きなことに打ち込めたら、
こんな楽しいことはないですね。

ではではー。

P.S.

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