明日から本当に関税がなくなるのか?(第679回)

※2019/1/31の記事です。

こんにちは、エスノです。

いよいよ明日2/1から日欧EPAが発行されます。

これによって、今後
日本・EU間貿易における関税率が
どんどん引き下げられていくことになります。

(輸入はもちろん、輸出でも同様です。)

なお、すでに買い付けしている商品が、
2月1日以降に通関されれば、
その引き下げられた関税率で
通関処理されるようです。

さて、EU各国からの輸入に大いに関わりのある
BUYMAのパーソナルショッパーにとっては、
概要を把握しておくべき変化であることは
間違いありません。

で、これについて以前メルマガを書きましたが、
内容に明らかな情報不足と誤りがありましたので、
直前で申し訳ないのですが追記します。

(友人であるイチローさんが昨日配信された
メルマガで気付きました。この場を借りてお礼を。)

まず対象になる条件ですが、
EU加盟国から輸入すれば、どの商品でも
関税率が下がるというわけではありません。

輸入する商品が、「EU原産品」でないといけません。

つまり、中国などのアジア各国や、
あるいは、ヨーロッパでもEU非加盟国で、
生産されたものは、対象にならない
ということです。

もっと具体的に言えば、中国で作ったバッグを
イタリアで販売していたとして、それを
日本に輸入しても、対象外ということです。

念のため書いておくと、EU加盟国は本日時点で、

ベルギー、ブルガリア、チェコ、デンマーク、ドイツ、
エストニア、アイルランド、ギリシャ、スペイン、フランス、
クロアチア、イタリア、キプロス、ラトビア、リトアニア、
ルクセンブルク、ハンガリー、マルタ、オランダ、
オーストリア、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、
スロベニア、スロバキア、フィンランド、スウェーデン、英国

です。

買い付けする可能性が多少あって、
EU非加盟国となると、スイスとか
ノルウェーくらいでしょうか。

イギリスはEU離脱が今後どうなるか、
この点でも注目ですね。

※ちなみにすごく簡単に「生産」と表現しているので、
「原産品」の定義の詳細は以下を参照してください。

http://www.customs.go.jp/news/news/j-eu-epa_exp/eu_roo.pdf

原材料をEUに輸入して作られる加工品は、
その加工による付加価値の度合いによって、
原産品かどうかが決まったりします。

ブランド品はその加工による付加価値が
だいたいすごい割合なので、たとえば、
革の産地がアフリカで、それをイタリアに
輸入して作られたバッグは、元を辿れば
アフリカ原産な気もしますが、定義上は
made in italyになるわけですね。

とにかく、EU加盟国から輸入したら、
なんでもかんでも関税かからない
というわけではないのでご注意ください。

また、先日のメルマガで、
革靴の関税率は発行後即時21%になる
と記載しましたが、これは27.3%の誤りでした。

これは単純な見間違いです。

お詫びして訂正いたします。

関税率については、段階的な
引き下げが行われますので、
品目別の詳細については、
以下をご覧ください。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000382059.pdf

デフォルトの表示が縦書きなので、
めっちゃ見づらいのですが、p.126以降が
関税率の詳細を記した表になっています。

上記PDFをブラウザで開いて閲覧すれば、
回転して横書きにして見れると思いますので、
首を傾げながら見なくても大丈夫です。

なお、1年目、2年目…の定義ですが、
よくよく読むと、なんと2019年3月31日までが
発効1年目で、すぐに2年目の税率に切り替わる
と記載がありました。

(附属書二-A 第一編 3(b)より)

これは以下Q&Aでも確認できます。

http://www.customs.go.jp/news/news/j-eu-epa_exp/FAQ_tpp_jpeu.pdf
(日 EU・EPA(一般事項)2番めの質問)

というわけで、2ヶ月後の4月1日からは、
関税率はさらに引き下げられそうです。

で、一番肝心なのは、
どうやってこの恩恵を受けるか。

実際のところ、輸入時のインボイスには、
原産地が明記されていたりいなかったりします。

なので、条件的に、
この商品は関税が安くなるはず
というものに関しては、配送業者の
通関部に事前に確認しておくのが
良いと思われます。

昨日東京税関とDHLの通関部に
電話で確認した感じでは、
20万円以下の商品の場合、
インボイスに記載がありさえすれば、
その表記を持って通関すると言われましたが、
現場もまだ手続きが明確に定まっておらず
しばらくは混乱しそうな印象を受けました。

(余談ですが、通関部の前に
DHLのカスタマーセンターに電話したら、
そんな話は一切聞いていませんと断言されました…)

なので、今回お伝えした内容も、
絶対にすべて正しいとも言い切れないので、
その意味でも、概要は押さえておきつつ、
あとは取引ごとに確認していくのが
とりあえずは間違いないかと思います。

発行後にいろいろ分かってくると思いますので、
また改めてメルマガでも取り上げていくつもりです。

ではではー。

P.S.

前回もお伝えしましたが、個別コンサルの新規募集を、
2月3日(日)21時頃に配信のメルマガで行います。

いつものように募集人数は若干名なので、
ご希望の方はお早めにチェックしてくださいませ。

P.S.

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何か気になることがあれば、遠慮なくご連絡くださいね^^

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