※2014/11/3の記事です。
こんにちは、エスノです。
週末からバタバタしてしまい
3日間もメルマガをサボってしまいました…。
さて、その間に、輸入ビジネス、
というか日本経済全体で考えても
とんでもないことが起きましたね。
1ドル113円台。
これが今の為替レートです。
先週金曜の日銀による金融緩和決定により、
為替、株価ともに一気に大きく変動しました。
思い出して欲しいのですが、
8月半ばまでは1ドル103円とかだったわけです。
それがこの2ヶ月余りで
10円も円安に触れたのですから、
正直、正気の沙汰ではありません。
差し当たって、BUYMAを始めとした
輸入ビジネスを実践している方は、
出品価格を早急に見直す必要がありますね。
特に利益率を低めに設定している場合は、
迅速に対応しないと赤字取引を連発しかねないので
本当に気を付けてくださいね。
ところで、この円安傾向はどこまで続くのか。
これはまったく分かりませんし、
それこそ予想しても意味がないことです。
肝心なのは、以前も少し書きましたが、
円安でも円高でも、どちらでもちゃんと
利益を出せるビジネスの構築に勤しむことです。
個人的にはしばらくは円安が続くと思うので、
輸出ビジネスをやっても面白いと思います。
ただ、これも以前書いたことですが、
一番重要なのは、やると決めたものがあるなら、
とにかくちゃんと腰を据えて取り組むことです。
私がBUYMAを始めた頃は、
1ドル80円を切るような円高でしたが、
それでもちゃんと輸出で利益を出している方はいましたし、
反対に、大きく円安に触れた現在でも、輸入で稼げる人は、
ちゃんと稼げています。
一番ダメなのは、環境の変化で右往左往すること。
確かな現象として、円安に触れれば輸出は利益が伸びますが、
それは一時的なボーナスみたいなものです。
そういう意味で、これだけの円安ですから、
これまでよりも美味しい思いがしやすいかもしれないので、
腰を据えて取り組むのであれば、輸出にチャレンジしてみるのも
選択肢の一つとしてはアリということです。
今回は、もっと大局的な観点で、
この円安が与える影響について考えてみたいと思います。
アベノミクスと称される現政権の経済、金融政策は、
政権誕生当初から一貫してインフレを進めることを、
その中心に据えています。
それは当然、日本経済にとって、
より良い効果をもたらすと判断してのことです。
物凄く端的に言えば、これまで景気が悪かったのは、
物価が下がり続けたデフレのせいだから、
それを解消するためにあれこれ手を打とう
という判断をしたわけです。
そのインフレ政策自体の成果は上々で、
現政権が誕生して以降、何度も
商品の小売価格が値上げされていることは
ご存知のことだと思います。
私は専門家ではないので、この方法が
景気回復のために本当に正しいかどうかは分かりません。
ひとつ言えるのは、厳然たる事実として、
「物価は上がっているが、所得の上昇がそれに追い付いていない」
ということです。
これには様々な要因があると思いますが、
物価上昇の本質的な要因が、その付加価値の向上ではなく
単純な為替レートの影響によるものだと考えれば、
当然のことといえば当然のことです。
例えばトヨタは、1円円安になるだけで、
年間の営業利益が400億円増えると言われています。
(これは想定と実際の為替レートの差異によって生じるため、
今後毎年そうだというわけではありません。)
こういう企業の経営者からすれば、
付加価値を高めるような行動をしたわけでもないのに、
全従業員の給料をばーんと上げようとはならないわけです。
もちろん表立ってそうは言いませんので、
所得のベースアップやボーナスの増額など、
ある程度は従業員にも還元されますが、
それは為替変動によって得られた企業全体の
増益度合いから考えれば微々たるものです。
こう書くと経営者がいかにも悪どい感じですが笑、
1年先の未来さえ予測しにくい現代においては、
固定費、特になかなか急に削減しにくい人件費については、
これまで以上に慎重な判断をせざるを得ません。
さらに、テクノロジーの急速な進歩によって、
日本人従業員ではなく海外の安価な労働力の活用や、
あるいはロボットなどによるオーロメーション化は
これまで以上に容易になり進んでいくはずですから、
為替や株高での利益はそこに優先的に回され、
所得はもっと上がりにくくなると考えたほうがよいでしょう。
一方で、資産家や一部の企業経営者、
あるいは高い付加価値を出せる人間には、
これまで以上に富が集まっていくことになります。
資産家や大企業の経営者は株高でウハウハですし、
またそこで得られた利益は、上で書いたような、
より効率のよい低コストな労働力の導入のほかに
高い価値を生み出す人材へ優先的に還元されていくことになるからです。
一部の経営者と書いたのは、
例えば大企業の下請けが収益のメインの会社などは
これからどんどん海外の企業に置き換わっていき、
そういう会社は潰れていく可能性が高いためですね。
いろいろ小難しいことを書いてきましたが、
本質的な背景として、すでに富める者はさらに富み、
そうではない者は頑張らないとどんどん富を失う構造があり、
それはこれからいっそう顕著になっていくということです。
残念ながら、日本経済全体が、
人口減少を伴いながら縮小していく以上、
普通に会社に勤めていれば給料が上がっていく
という時代はとっくに終わっていますし、
むしろ相当頑張って「付加価値」を出さないと、
生活が苦しくなっていきます。
「付加価値」というのが重要で、
ただ長時間働いてもダメなわけです。
長時間労働すればカバーできる、
比較的単純な業務というのは、これから海外の人や
コンピュータ、ロボットの場所になっていきます。
今週のジャンプの「こち亀」で、
ソフトバンクが先日発表したpepperという
人工知能の搭載されたロボットを引き合いに、
これからの製造業において、ロボットが
以下に重要かということが書かれていました。
おそらくは、
近未来的なワクワク感を見せたかった作者の意図とは裏腹に、
私はそれを読んでいて、そこで元々働いていた人は、
そのあとどんな仕事ができるのかと想像してぞっとした次第です。
ちょっと話が逸れましたが、
こういう大局的な視点で考えれば、
輸入であれ輸出であれ、本業以外の収入を得る
という選択はもはや不可避でしょう。
そのためには、
為替の変動に一喜一憂していないで、
自分がやると決めたことに、
腰を据えて取り組むことです。
ホントはもっと楽観的に、
目の前のビジネスに盲目的に打ち込んで、
その中で楽しみを見つけながら成果を出していく
というのが理想的なやり方だと思っていて、
こういう「やらないとヤバイよ!」的な話をするのは
あんまり好きではありません。
しかし、こういう局面を迎えている以上、
さすがに触れざるをえない話題でした。
ではではー。
★☆★ エスノ ★☆★
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