実は時間がない人ほど外注化してはいけない理由(第835回)

※2024/2/15の記事です。

こんばんは、エスノです。

前回のメルマガは、

「成果は伸ばし続けようとしなければいけない」

という、ちょっとスパルタ?な
テーマでお届けしました。

利益を出すためには、
利益への貢献度が高い作業、
つまり、リサーチやメンテや
仕入れに、どれだけ注力できるか
ということが重要です。

この当然の摂理ゆえに、
多くの人はまず、それらについて、
「何をするのか」ということにフォーカスします。

どんな方法でリサーチすれば、
人気商品が見つけられるのか。

どういう仕入れ方法や仕入先が、
他の出品者と差をつけられるのか。

仕入先にどんなメールをすれば、
割引がもらえるのか。

などなど。

繰り返しますが、
これらが重要なのは当然のことです。

このリサーチや仕入れなどの
「利益への貢献度の高い作業」
についての試行錯誤や創意工夫が、
一過性ではなく、安定した収益を
生む基盤になっていきます。

試行錯誤と創意工夫を
続けていこうとするということ。

それは要するに、
本人がどう思っているかによらず、

「成果を伸ばし続けよう」

としていることに相違ありません。

その態度、スタンス。

言葉や表現は何でもいいのですが、
そういうものが失われた瞬間、
その人は相対的に衰退してしまう。

だからこそどんな出品者も、
実際に伸びているかどうかではなく、
まずは常にそれを目指さないといけない
と前回のメルマガでお伝えしたわけです。

しかし、先述のように、
「何をするか」も重要ですが、
実は、それと同じくらい重要なのが、
「何をしないか」ということだったりします。

自分の活動できる容量は、
時間や手間やエネルギーの
観点から確実に有限です。

「何をしないか」と決めることで、
大事な「何をするか」ということに、
より注力できるし、逆にそれが
逆転してしまっていると、いつまでも、
その大事なことに力が注げません。

その「何をしないか」のひとつとして、
今回のタイトルでもある

「時間がない人ほど外注化してはいけない」

という一見矛盾を抱えたテーマについて
ちょっと考えてみましょう。

一般的に、自分の時間が
足りないからこそ、他者に
作業や業務を代わりにやってもらう。

これが当然の理屈のはずです。

それがそうではないとは、
一体どういうわけなのか。

このキャッチーなフレーズは、
もちろん、すべての人やケースに
当てはまる話ではありません。

私は以前から、物販は
規模を大きくしていくならば、
作業の外注化は絶対に避けて通れない。

それなりに利益が出せるようになったら、
むしろ積極的に行っていくべきと書いています。

今回特にこのテーマの対象になるのは、

・これから利益を伸ばそうとしている

・多少売れるようになってきたがまだ安定していない

というようなステージの出品者や、あるいは、

・活動体制を煩雑にしてしまうような

という枕詞のつく外注化についてです。

「作業を外注する」と一言で言えば
すごく簡単そうに聞こえます。

が、考えてみるまでもなく、
自分が思い描いたとおりの
アウトプットを、間違いなく、
安定してこなしてくれる人間が、
ある日突然眼の前に現れるわけではありません。

自分で探してきた人に、
自分で作業や業務を教えて、
その結果をチェックして、
必要があれば修正したり指摘したりします。

この過程を繰り返し経ることで、
ようやくまともな戦力になったり、
あるいは、残念ながらならなかったりもします。

上述の
「今回のテーマの対象となる人たち」は、
そもそも「利益を生み出す」という
一番基本的で重要な部分について、
まだ継続的にリソースを割かないと
いけない段階なわけです。

それを差し置いて外注化しても、
ろくに成果の出ない作業の、
さらに劣化したコピーにしかなりえません。

これがまずひとつ分かりやすい、

「時間がない(し、これから利益を
伸ばしたり安定させたい)人ほど
外注化してはいけない」

の理由です。

ただ、これは割と誰でも
想像できることだと思います。

肝心なのはもうひとつの理由。

それは、

「外注化することによって、
活動体制自体が煩雑化してしまい、
そもそも手間が掛かることを前提とした、
収益構造を生み出してしまう」

ということです。

難しく書きましたが、要するに、
外注化を「利益の前提」とすることは、
「コスパの悪い活動状態」が
固定化されてしまうということです。

自分の時間を作るために、
作業を他者に代わってもらった
はずだったのに、そもそも
その方向に進むこと自体が、
目指していたことを阻害する
性質を持っていたとしたら。

そんなことになるはずないだろう
と思うかもしれませんが、実際に、
こういうケースは驚くほど多いです。

効率的、効果的な成果の出し方が
まだ身に付いていない状態で、
利益を生むために外注化をする
ということは、必然的に、一定数以上の
出品数が前提になってしまいます。

最低でも数百、多ければ、
1000、2000、あるいは、
それ以上が常態化します。

高い打率を出せないなら、
その分を数量で補うしかない
というのは自明なわけです。

ただ、冒頭で書いたように、
もはやBUYMAは、ただ単に
大量に出品したところで、
大した成果を生み出せるような
プラットフォームではなくなっています。

この時点で、この方針から
引き返せたら、かなり幸運だ
と言っても差し支えないでしょう。

もし仮に、前回のssenseのように、
一定のレベルより強い仕入れ先から、
人一倍多い出品数で戦ったとしましょう。

そうすると、これも
ssenseを見れば分かるように、
それなりに受注が入ってくるのも間違いありません。

間違いありませんが、では
「売れてるからそれで良し」
とするのは、あまりにも
物事の表面しか見えていない
と言わざるを得ない。

結局、たくさん出品することが、
受注の前提になるということは、
それに伴って確実に発生する
「コスパの悪い作業や業務」も、
同時に払い続けないといけない
ということです。

このコストというのは、
外注パートナーさんへの報酬のことではありません。

もちろんそれも含みますが、
それ以上に、

・大量に出品した商品のメンテナンス

・それらへ来てしまう多数の問い合わせ対応

・受注後のお客さんや仕入先とのやり取り

・商品の配送状況のチェック

(・外注パートナーとのやり取り・フォロー)

などに、時間や手間やエネルギーなどの
貴重なリソースが奪われ続けてしまいます。

「それを解消してくれるのが、
外注パートナーなのでは?」と
思うかもしれません。

そう、この活動体制が
一度組み上がってしまうと、
もはや「外注の規模を拡大する」
という方向でしか問題が解決ができなくなります。

人が増えれば、その分、
その人との関わりが純増します。

すべての外注パートナーを
取りまとめてくれるような、
かなり優秀な方を確保できるまで、
自分の時間はゴリゴリ削られていきます。

「そんなの、利益が出るようになったら、
その利益でなんとかすればいいじゃん」
と思うかもしれません。

時間がないうちは、
外注化を前提として利益を伸ばし、
利益がある程度出せるようになったら、
その利益を使って、それまで時間が
取られていた他のことを解決、解消する。

たとえば、本業を辞めたり、
家事代行をお願いしたり、あるいは、
ベビーシッターを依頼したり。

そういうことで時間をさらに生み出して、
より効率よく利益を生むために活動していく。

一見、すごく理に適っているように見えます。

しかし、これまで多数の事例を
詳細に見てきた立場からすれば、
それは本当に難しい。

こう思う人は、おそらく
「大量出品で経験を積んでいけば、
それもできるようになる」と
楽観的に考えているのでしょう。

しかし、「利益を生む」という
同じ結果を目指しても、それが
「大量の出品によって」なのか、
「受注確率を高めることによって」
なのかによって、積み上げるものは
真逆と言ってもいいくらい異なります。

地力を高める必要がある人が、
ただでさえ時間がないのに、まず
外注化の導入にリソースを割かれ、
そして仮に、そのままの流れで、
リソースを奪われ続けるのを
避けられないような体制で
そこそこ利益が出てしまうと、
ずっとリソースが余らないまま
という状況から抜け出せません。

そこから抜け出したいのに、
抜け出すために必要な、
地力を高める=効率的、効果的に、
利益を生み出せるようになるための
リソースがないので悪循環が止められないわけです。

本当に時間がなさすぎて、
純粋な出品作業1件のための
5~10分も惜しいという状況なら、
それをお金で買うのはアリだと思います。

あるいは、受取や梱包や発送を、
倉庫業者に委託するのもいいでしょう。

ただ、原則として、その程度の、
「シンプルな作業の代替」に留めて、
活動体制自体が煩雑化しないように
細心の注意を払うべきです。

その外注化は何のために行い、
その行先にはどんなことが起こるのか
というのを、常に忘れないようにしてください。

最後にお知らせです。

前回もお伝えしましたが、
私が運営している、
BUYMAコンサルティングコミュニティ
「BUYMAアカデミア」の新規募集を、
2月18日(日)21時頃のメルマガで行います。

なんだかんだ今年の3月で、
もう丸8年運営しているコミュニティで、
現在も、月粗利100万超の経験者や
プレミアムショッパーの方も多数参加しています。

興味がある方はぜひチェックしてくださいませ。

ではではー。

P.S.

ご質問やご意見・ご感想は、
下のメッセージフォームから随時受け付けております。

何か気になることがあれば、遠慮なくご連絡くださいね^^

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