書かれていない情報で脳内補完はヤバイ(第500回)

※2016/4/23の記事です。

こんにちは、エスノです。

昨日のコンサルでちょっと嬉しいことが。

もう約1年個別コンサルを
受けてくださっている高野さんと
いつものようにスタバでお会いして
いろいろ話をしていました。

その中で、このメルマガの
前回の内容を早速活用して
利益を生み出すことができた
という報告をしてくださったのです。

前回お伝えした内容というのは、

・現地定価から考えて、計算上、
ライバルの価格が安すぎるときでも

・それが革靴ならば、決済時に
関税・消費税を一緒に支払うタイプの
ショップの在庫だけはチェックしてみよう

というものでした。

(上記は具体的に使える結論の部分なので、
一番伝えたい内容ではないのですが。)

なぜなら、FARFETCHや
MATCHES FASHIONのような、
関税・消費税を商品の受取時ではなく
決済時に一緒に支払うタイプのショップは
その関税・消費税の金額が、
割安であることがけっこう多いからです。

簡単にいえば、通常30%の
革靴用の関税率ではなく、
他の商品と同じように
10%くらいで計算されていることが
けっこうよくあるということです。

高野さんは、このメルマガの内容を活用して、
目的の商品の在庫を見つけることができ、
それが受注につながって利益を生み出せた
というわけです。

金額自体は約6,000円程度と
そこまで大きなものではないのですが、
メルマガの内容を活かせたということを
嬉しそうに話してくださったのが印象的でした。

こんな感じで、世の中には
素直に読んで実践すると有益な文章
というものが、手前味噌ではありますが
ちゃんと存在しています。

しかし、一方で、

論理が破綻していたり、根拠が謎すぎて、
何を言っているのか分からない文章

というのも存在します。

たとえば、先日BUYMA事務局が
こんな記事を書いていました。

■【評価上昇テクニック】購入者様から良い評価をもらう為の問い合わせの返信とは?

http://buyersinfo.buyma.com/?p=37956

この記事の内容自体は、
割と参考になると思います。

ただ、相変わらず、

>ただ、評価の高い出品者様の例を見ますと
>返答は長くて1日、短くて5分以内に返答しているケースが多く、
>返信の早さは成約につなげる重要な要因と言えます。

というような、???という
話をしているのはいただけません。

念のため書いておくと、

「>ただ、評価の高い出品者様の例を見ますと」

「>返答は長くて1日、短くて5分以内に返答しているケースが多く、」

この2文は、「当たり前」です。

評価の高いショッパーが、返信が早いというのは、
そりゃそうだ、としか言えない当然のことです。

返信が早いのを積み重ねた結果、
評価が高くなっているわけですから。

(特に書いていないですが、この評価は
「返信の早さ」項目のことだとしましょう。

逆にそうでなければ、そこも破綻しています。)

しかし、その当たり前の事実を元に

「>返信の早さは成約につなげる重要な要因と言えます。」

という結論を導くのは、
ちょっといきなりすぎるわけです。

さて、ここからが本題なのですが、
もしこの文章を読んだときに、
何も違和感を抱かなかったとしたら、
それは要注意です。

なぜなら、それは、

自分の頭の中で、“書かれていない情報”を
勝手に補完して「理解したつもり」になっている

ということだからです。

どういうことかというと、確かに

「返信が早い=受注率が高まる」

という公式は成り立ちそうですし、
ちゃんとした比較調査をすれば、
おそらくその通りになる可能性はあると思います。

しかし、今回はそれを証明する論拠どころか、
その内容にすら触れられていないにもかかわらず

「自分がそうだと思っている(あるいは、思わされている)こと」

(=「返信が早いと受注率は高まる」という命題)

が脳内で勝手に働いた結果、

>ただ、評価の高い出品者様の例を見ますと
>返答は長くて1日、短くて5分以内に返答しているケースが多く、
>返信の早さは成約につなげる重要な要因と言えます。

という文章をすんなり読んでしまっていたとしたら
大問題だということです。

こういう“エラー”は、実は、
人間には日常的に起きるものだったりします。

なんでそういう機能が付いているか
というと、なるべく考えないようにして
低燃費で過ごせるようにするためです。

日常の些細な事柄にまで、
いちいち細かく頭を使っていると、
まともに生活できなくなるのは
想像に難くないと思います。

誰も朝起きて歯を磨くときに、
本当にこれは意味があるのか、
こういう磨き方で歯垢は取れるのか、
この歯はこういう角度で5回磨くべきか
7回磨くべきか、みたいには考えないわけです。

万事この調子で考えていたら、
身動きがまったく取れなくなってしまいます。

自動に近いレベルで行える行動については
そのようにしてしまうことで、不必要な
カロリーの消費を避け、スムーズに
活動するようにできているわけです

しかし、それは、意識しないと
今回のように、あらゆる場面で顔を覗かせ、
結果的に大きな不利益を被りかねません。

日常生活のことについては、
ほぼ自動化された行動でも
さほど問題はありません。

しかし、特にビジネスに臨む際は、
ありとあらゆる可能性を考えて、
すべてを疑うくらいのつもりで取り組みましょう。

今回の内容くらいなら
多少認識が間違っていても
大きなダメージはないですが、
もっと根本的な部分で間違えると
とんでもないことになってしまいますので。

しかし事務局にはもうちょっと
しっかりして欲しいですね…。

ではではー。

P.S.

ご質問やご意見・ご感想は、
下のメッセージフォームから随時受け付けております。

何か気になることがあれば、遠慮なくご連絡くださいね^^

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「常識」レベルの知識でも差別化できます。(第499回)

※2016/4/18の記事です。

こんにちは、エスノです。

先日発生した熊本の大地震で
被災された方々にお見舞い申し上げます。

離れた土地で生活する私が出来ることは
極めて小さいのですが、こういうときこそ
何よりもまず落ち着いて、錯綜する
大量の情報の中から適切なものを選択し、
ご自身とご家族の身の安全を再優先に
行動していただきたいと思います

さて、土曜は東京で、日曜は博多で
アカデミアのワークショップコンサルでした。

東京の参加者には、
昨年個別コンサルを受講されていた、
青木さんとHさん、そして2月から2ヶ月間
受講されていたKさんがいらしてくれました。

青木さんは何度かメルマガにも登場していますが、
昨年12月~今年3月の4ヶ月間、
月利平均が100万円を超えている猛者です。

Hさんも同じく何度か登場していて、
月利20~30万円を安定して生み出し続けています。

お二人とも出品数は少なく、
ほぼすべての作業をご自身でこなす、
効率的なスタイルで実践されています。

もちろん、出品数は少ないですが、
BUYMA自体は穴が開くほどよく見ていて、
様々な買い付け先にも精通している
という背景があっての成果であることは
間違えないようにしていただきたいです。

しかし、その結果、上記のような成果を
着実に生み出しているのも紛れもない事実です。

Kさんはコンサル開始後に初受注した
ということでメルマガに書かせていただきました。

その後も着実に利益を積み上げ、
先日は在庫販売の商品1点で、
2万円以上の利益を出すことに成功しました。

初受注から2ヶ月経たないうちに
こういう成功体験が出来たのは、
今後にも大きく生きてくると思います。

ご本人はまったく満足していませんが、
この経験から成果の要因を抽出して、
また同じ状況を再現できるようにしていくことで
より大きな成果を生み出すことが出来るはずです。

そんな皆さんで個々で作業をされながらも、
お互いの作業状況や「あるある」な話、
あるいはこれまでの経緯などの情報交換もされて、
主宰者としては少し感慨深いものがありました。

2ヶ月目に入ってきて、
会場の手配や諸連絡の仕方、
あるいは今後のスケジュールなども
ある程度把握できてきましたので、
また来月以降にでも新規募集したいと思います。

興味がある方は気にかけておいてくださいませ。

さてさて本題です。

BUYMAでもっとも重要なのは、
「出品数」でも「人気商品を探すこと」でもなく
「買い付け力」だということは
これまで何度もお伝えしてきた通りです。

ただ、この「買い付け力」も、
かなり幅の広い言葉ではあります。

今日はその中でも割と初歩的だけど、
でも重要なポイントについてです。

例えば、以下のショップについて、

「表示価格に関税・消費税が含まれているか」

あるいは

「決済時に関税・消費税を支払うのか」

というのは、即答できますでしょうか?

・FARFETCH

・MATCHESFASHION

・MYTHERESA

・net a porter

・saks fifth avenue

・ショップA

※このショップはメルマガ登録特典でお伝えしているショップです。

割と誰しも知ってるショップなので、
分かる方はすぐ分かってしまうと思います。

(分からない方、怪しい方は、
ぜひすぐに確認しましょう。)

もちろん、これを「知っているだけ」では
大きな差別化にはなりませんので、
他のショッパーより優位になるということはありません。

しかし、こういう「常識」レベルの情報でも、
ちょっと違った角度から検証すると
一歩抜きん出るような成果を得られることもあります。

「BUYMAあるある」の最たるものである、

「ライバルに価格で勝てる買い付け先が見つからない」

という問題があります。

これは基本的にはこれまで紹介してきた

「現地定価を確認することで、
買い付け先を探し続けるかどうかを判断する」

という対応が最も効率的です。

※参考:どのくらい頑張って買い付け先を探すべきなのか。(第360回2015年2月12日)
http://steermylife.com/1182.html

ただ、その中で若干例外的なのが、
リサーチ対象の商品が“革靴”の場合です。

ご存知のように革靴の関税率は
30%と非常に高くなっていて厄介です。

しかしながら、
先ほど書いたショップの中にもある

「決済時に関税・消費税を支払うタイプのショップ」

については、この革靴の関税率が
割安に設定されているケースがままあります。

これをあらかじめ検証して把握していると
たとえば以下のようなケースのときに
少し違った買い付け先の探し方が出来ます。

あるショッパーさんが
“革靴”カテゴリのイタリアブランドの商品を、
92,000円で出品していたとします。

この商品の現地定価を
公式ショップで確認したところ、
600ユーロだったとしましょう。

この表示価格には約20%の
現地消費税(VAT)が含まれているので、
600÷1.2=500ユーロが税抜価格です。

※イタリアなど、国によってVATは、
厳密には20%ちょうどではないですが、
話を分かりやすくするために20%とします。

もし日本に直送してくれるショップが
あったとして、その場合の商品代金と
関税・消費税の金額の合計は、
1ユーロ130円とすると、おおよそ
65,000円+16,000円=81,000円です。

もし送料無料だとしても、
BUYMAの決済手数料(7.56%)を考えると
約88,000円から利益が出ることになります。

つまり、この買い付け費用から考えると、
ライバルの出品価格はちょっと安すぎるわけです。

(送料無料というのもなかなか珍しいですし。)

基本的には、ここまで計算した時点で

・ライバルは特殊な割引を持っている

・セールの時期ならば、自分の知らない
セール価格のショップを把握している

という仮説を元に、これ以上買い付け先を
探すべきかどうかを判断します。

しかし先ほど書いたように、“革靴”だと
決済時に支払われる関税・消費税が
割安なショップがあるということを考えると、
もう少し買い付け先を探す余地が出てくるわけです。

つまり、自分が把握している、

「決済時に関税・消費税を支払うタイプの
いくつかのショップだけはチェックしてみる」

ということです。

で、意外と関税・消費税込みで、
8万円以下で買い付けが出来るショップが
見つかったりします。

もちろん、こんなに
上手くいくケースばかりではないのですが、
実際に昨日コンサル生に聞かれた商品で
こういうことはありました。

「みんなが知っていること」でも
その使い方によって優位性を生むことは可能です。

ちょっとしたことの積み重ねが
最終的には大きな差に繋がってきますので、
一つの例として覚えておいていただければと思います。

ではではー。

P.S.

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BUYMAはたぶん今利益を出しやすいです。(第498回)

※2016/4/9の記事です。

こんにちは、エスノです。

ちょっと為替相場がエライことになってますね^^;

ものすごい勢いで円高に動いているので、
今後もしばらくはいつも以上にこまめにチェックしましょう。

さて、前回メルマガを送ってから
2週間空いてしまいました…。

それについての反省はとりあえず置いといて、
先日出たエニグモの決算資料から
ちょっと書いてみようと思います。

http://www.enigmo.co.jp/wp-content/uploads/2016/03/ir_20160316_4.pdf

ご存知のように、昨年度は
大々的にCMを打ったにもかかわらず、
目標には遠く及ばない数値となり、
結果的には大失敗と言っていいものでした。

ただ、それはあくまで
「計画に対して」であって、
取扱高は例年通り増加しています。

単純な会員数は300万人を超え、
過去1年に購入経験のある
「アクティブ会員数」も約63万人と
前期比で約23%増えていますから、
会社として目標には未達でも、我々としては
まあ特に変わりなく活動できています。

というか、昨年末から感じているのは
BUYMAは昔よりも利益を出しやすくなっているのでは?
ということです。

これは「誰も彼も利益を出しやすい」というよりは
「実力のある人が、今まで以上に利益を出しやすい」
という感覚です。

で、ちょっと昔の資料を掘り起こして、
いろいろ確認してみました。

すると、2012年7月時点での
アクティブ会員数は約22万人で、
3年半の間に約3倍伸びたことが分かりました。

http://www.enigmo.co.jp/wp-content/uploads/2013/09/ir_20130913_3.pdf

それに対して、約76,000名と言われる
我々パーソナルショッパーですが、
実際にところちゃんと活動しているのは
だいたい何名くらいなのかは、
エニグモの資料には書かれていません。

そこで、直近の月間販売数が
1件の人の順位を確認すると、
だいたい3,000位くらいだということが分かりました。

(最近BUYMAを始めたばかりのコンサル生の
ランキングを参考にしました。)

つまり、月に2件以上販売できているのは
3000名もいないということです。

さらに、先ほど挙げた2012年7月の
月間販売数1件の人の順位はだいたい
2,000位くらいだということも分かりました。

まとめると、こんな感じです。

【アクティブ会員数:月間2件以上販売のパーソナルショッパー数】

2016年1月 約63万名:約3,000名

2013年7月 約22万名:約2,000名

出来れば1月と7月ではなく
同じ時期で比較したいところではありますし、
他にも細かいツッコミは入れられそうです。

ただ、お客さんの増加に
売り手の増加が追いついていない
というのは見て取れると思います。

本当は、同じ時期同士で、
たとえば売上200万円だと
何位くらいなのかというのが
ちゃんと比較できると分かりやすいんですが、
すぐにはデータが出てこないので
それはまたの機会に出せればと思います。

ただ、売り手の母数が増えていない
ということは、単純に考えれば、
それだけ実力のある売り手の数も
増えてはいないということです。

そうなると、増えたお客さんは、
パーソナルショッパー全体から満遍なく
買うようになるというよりは、
実力のあるパーソナルショッパーに
偏って買い求めるようになるわけです。

私が冒頭で書いた

「実力のある人が、今まで以上に利益を出しやすい」

という感覚は、このへんから
来ているのではないでしょうか。

まあこういう傾向がなくても
実力をつけないと仕方がないわけですが、
今はさらに美味しい思いができる可能性がある
という話でした。

ではではー。

P.S.

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