画像の著作権問題にどう対応するか(前提共有編)(第787回)

※2023/2/8の記事です。

あけましておめでとうございます、エスノです。

年が替わる前に配信したいとの思いも虚しく、
約3ヶ月ぶりの2023年初メルマガでございます。

ちょうど前回のメルマガ直後から
容態がいまいちだった父方の祖母が
11月上旬に亡くなって以降、
ずっと何かしらでバタバタして
気付けば年が明けてしまった感じです。

ありがたいことに、祖母は、
認知症以外の病気はまったくなく
大往生と呼んでいい最期でしたが、
これで私の祖父母は、父方も母方も
みんないなくなってしまいました。

いただいた命と愛情に感謝して、それを
少しでも社会に還元したいものだなあ
と改めて思った次第です。

さて、年末に起きた
BUYMAの一大トピックと言えば、
商品画像の著作権についてではないでしょうか。

そんなに大した話だとは
個人的には思っていないのですが、
事務局の通達の仕方などの雰囲気が
今までよりもちょっと強めだったので、
右往左往した方も多いかもしれません。

今さら感がすごいですが、
ここで私の見解をまとめておこうかと思います。

まず、今後の画像利用について。

大前提として、farfetchと
各ブランド公式サイトの画像やロゴは
もう一切利用してはいけません。

これは一昨年、つまり2021年の年末、
事務局からfarfetchの画像利用禁止が
出された時点で、すでにお伝えしていたことです。

私のメルマガを読んでいる方で、
これを無視しているということは、
さすがにもうないと思います。

が、今後はこれまで以上に、
厳しい措置が取られる可能性がある
という話も実際に聞いているので、
改めて気を付けてください。

また、利用するにあたって
一番手堅く問題にならないのは
以下の2つです。

・自分で撮影した画像(手元、もしくは店頭)

・BUYMAのカタログ出品画像

ここで気を付けたいのが、
商品画像について考えるときに、
「リスクの排除」と「アクセスへの貢献」
を分けて考えるべきだということです。

ここをごっちゃにして考えようとして、
身動きが取りづらくなっている人が
私が実際に関わる方の中にも
何名かいらっしゃいました。

上記2種類の手堅い画像は、ともすれば
撮影技術的に見栄えがいまいちだったり、
あるいは、他の出品者と差別化しづらい
という、やや歓迎しづらい面があります。

しかしそれはあくまで、
「アクセスへの貢献」に関する話です。

確かに見栄えが良かったり、
他の出品者とちょっと違う画像のほうが、
アクセスは来やすい傾向にあります。

だからといって、
まったく売れなかったり、
まったく見られなかったりする
というわけではありません。

出品者が自分で撮った
ちょっと発色の悪い写真でも、
他の出品者と何の差もない
のっぺりしたオンラインの画像でも、

「人気商品が優位性のある条件で
出品されていれば売れる」

という事例は、これまで
BUYMAをちゃんと見てきたならば、
数多く目にしたはずです。

なので、多少画像のクオリティが落ちても、
上記の画像でカバーできる商品があれば、
まずはさっさと変更してリスクを排除しましょう。

そして、画像について悩むことで
消費されていた分のリソースを
売上への貢献度の高い作業に
ちゃんと投下するのが良いわけです。

その上で、たとえば、
受注した商品が届いたときに
自分で撮影して元の画像から変更したり、
あるいは、自分で撮影した画像の
質を高める努力をしたりしていけば
いいだけのことですね。

もちろん、店舗での買付をよくやっていて、
店頭で撮影させてもらえるくらいに
店員さんとリレーションが築けているなら
それも取り入れてもいいでしょう。

(なお、この場合も許可取りは必要です)

ただ、ここまでの話は、
比較的分かりやすいところで、
多くの方が悩むのは、先述の、
「絶対ダメ」と「絶対大丈夫」の
間の部分です。

具体的に言えば、現時点で
明確にダメと言われていない
様々なオンラインショップの画像
についてです。

規約の文章的には、
自分が著作権を保有せず、
使用許可がない画像は一切使うな
とあるわけですが、ここでは
もう少し現実的な話をします。

これも以前お伝えしたように、
farfetchのことを考えると、
オンラインでの販売が主力の
大手セレクトショップに関しては、
今の時点で指摘がなかったとしても、
できるだけ避けておくに越したことはありません。

たとえば、net-a-porterとか
MATCHES FASHIONとかですね。

よりざっくり言えば、shopstyleで
よく出てきがちなショップと言っても
いいかもしれません。

彼らは、流用された画像によって、
自分たちのお客さんが不信感を抱き、
それが売上に良くない影響を与える
と考えます。

私たちもBUYMAの画像が流用された
あからさまに怪しいショップを見かける
ことがありますが、それと同じことです。

この構造自体はどのショップでも
本質的に同じなわけですが、特に
オンラインが主力の彼らからすれば、
その「悪い影響」が、そうではない
ショップよりも大きいわけですから、
将来的に指摘が入る可能性は
低くないと考えています。

特に、net-a-porterは、
日本法人を持つyooxと
同一グループが運営しているので、
同じく日本法人を持つFarfetchと
似たような状況であると考えれば、
最も注意する必要があると思います。

一方で、オンラインが主力でなかったり、
あるいは、もっと規模の小さいショップも
世界中に数多くあります。

そういうショップの画像はどうか。

こちらについては、実際に
ショップ側から指摘が入る可能性は
ほぼないと言って差し支えないでしょう。

なぜなら、ショップがそれをする
メリットがあまり大きくないからです。

日本とは異なり、イタリアなど、
EU諸国における著作権の侵害は、
基本的に非親告罪だそうで、
指摘のしやすさは国内以上と
言えなくもないかもしれません。

しかし、実際、
海を超えて取り締まろうとすると
かなりのエネルギーとコストが
かかりますが、その結果得られる
リターンはほぼないわけです。

もちろん、それはショップから
直接指摘が入るかどうかの話で、
事務局に対してのルールとは
また分けて考える必要があります。

BUYMAの規約上では、
画像利用の許可の証拠を
提示してもらう可能性がある、
ということが明文化されているので、
何でもかんでも今まで通りに
気軽に使ってOKと考えるのはナンセンスです。

一方で、じゃあ実際、直接
ショップ側からの指摘がないのに、
わざわざ事務局がすべての画像を
しらみ潰しにチェックするのかというと、
それもちょっと現実的ではないと思います。

以前から、ほぼすべての出品者に対し、
「使っている画像の使用許可について
教えてほしい」というアンケートがあったので、
これに対してNoと回答した出品者には
細かくチェックが入るかもしれません。

また、最近は画像のチェックに、
AIを活用した画像検索みたいなツールを
利用しているようなので、BUYMA全体を
一通りスクリーニングするということも
可能性としてはあると思います。

ただ、それらはいずれも、
絶対ダメなfarfetchや公式の画像の
チェックに使われるもののはずで、
無差別にすべての画像の使用許可を
確認することはちょっと考えづらいです。

BUYMAからしても、今の時点で
権利保有者から何も指摘がないのに
すべての画像を細かくチェックすることを
わざわざ手間をかけてやるメリットが
あまりないからです。

そうは言っても、許可がないと
心配ですっきり使えないよという方も
いるかなと思います。

これらを踏まえて出来ることはシンプルで、

・バイドラ参加者は提携ショップの画像使いましょう

・そうじゃないケースは許可をもらうことを検討しましょう

です。

前者はそのままで、私がこれまで
何度も紹介しているBuyer’s Drive
というサービスの提携ショップは、
画像利用の許可されているところが
多数を占めています。

サービスの利用者は、
基本的にリセーラーであるという前提で
各ショップと提携しているので当然ですね。

しかしながら、BUYMAが求めるように
「許可をもらった証明」の発行を
各ショップがすることは出来ないので
その点は注意しておく必要があります。

後者は、ストレートにそのまま、
あなたのショップの商品画像を、
オンラインで不特定多数の人向けに
掲載してもいいですか?と聞いても
まずダメと言われるので気を付けましょう。

ダメと言われてしまったらもうダメです。

何度も取引していて、かつ、
気軽に連絡できる担当者に対して、
ちょっと工夫した尋ね方をしたほうが
ベターですね。

なお、セレクトショップの中には、
Farfetchの画像を利用しているショップ
というのがあるので、それについては
別途注意が必要です。

そのショップ自体は、Farfetchから
画像の提供を受けているわけですが、
それをBUYMAで使うことは、
先述のようにNGです。

また、これらの対策はする一方で
過去に起こった事例として、

「実際にはFarfetchや公式の画像
ではないのに、それらの画像だと
誤って指摘される」

という理不尽な現象も起こっています。

この場合、指摘に対して、

・指摘とは違うことを、客観的事実をもとに証明する

・指摘を受け入れて画像を問題ないものに変更する

という対応が考えられますが、
前者を選ぶと必然的に、
「許可をもらっている証拠も出して」
という話になる可能性が高いです。

そうなると、先述のバイドラショップなど
証拠を提出できない画像の場合は、
後者を選ぶしかないことになります。

なお、規約の文言では、

「出品画像は、
パーソナルショッパー様ご自身が
著作権を保有している画像、または
第三者様から利用許諾を得た画像
である必要があります。

また出品画像については、
BUYMA事務局から許諾内容の
確認をさせていただくために、
資料・情報の提出をお願いする場合があり、
その場合には裏付け資料・情報を
ご提出いただく必要があります。」

とあるので、許可のある画像を使うことと、
その証拠を提出することは別である
というのが、私の理解です。

以上のことを考慮しながら、
どの画像を利用するのかということを
考えていく必要があるわけですね。

で、ここまでが、画像の属性ごとに
どう考えるかという「大前提」の話です。

これらを踏まえて、実際の活動に
どのように落とし込むかが大事です。

長くなってしまったので、
今回はここまでで筆を置いて、
それについては次回のメルマガで
書いていきます。

大丈夫です。

すでにほぼ書いてあるので、
そう遠くないうちに配信できます。

ではではー。

P.S.

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