「良い在庫」だからこそボトルネックになることもある(第799回)

※2023/6/15の記事です。

こんばんは、エスノです。

前回のメルマガを送った直後に、
私も本人確認やってみたんですが、
ものの10分とかで承認完了してビックリでした。

現時点では本人確認済みは、
お客さんからは分かりませんが、
まだの方はすぐ終わるので、
とっととやってしまいましょう。

BUYMAアプリからやるのがスムーズだと思います。

さて、先月力を入れて書いた、
「在庫販売のリスク」シリーズですが、
前回配信した「核心」については
けっこう反響がありまして、
何人かのコンサル生からも、
日報の最後にポツリと、

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エスノさんのメルマガ読ませていただきました。
読み続ける事が嫌になるくらい心にグサグサ刺さりました。笑

(Sさん)

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今日のメルマガ、自分に言われてるなあと
大変勉強になりました。。!

(Hさん)

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昨日のメルマガ、何度も個人コンサルで言われている部分ですが
文字にして頂きありがとうございます!
とても重要な部分ですので、昨日速攻で読んで、今日も朝からまた読み直しました
しみ込むまで暫く朝読む日課にしようかと。

(高野さん)

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というような感想をいただきました笑

まあ皆さんが実際に陥ってしまったことと、
そこからどうやって復活したかということを
踏まえて、私がまとめて上げて書いているので、
そりゃ刺さりますよねという話です。

あと何より反響を感じたのが、
メルマガの解除が全然なかったことです。

メルマガの読者さんは約1800名いるので、
一回の配信で、毎回数件の登録解除が
さすがにあるんですが、今回は1件しかありませんでした。

あんなデタラメに長い文章を送りつけて、
解除がほぼないということは、それだけ
重要な話だと思ってもらえたということ
なんじゃないかなと。

いずれにしても、私が過去に関わった
在庫販売で上手いこといった人たちが、
ほぼ例外なく陥ったパターンなので、
ぜひお気を付けくださいませ。

その上で今回は、なんで
そんなことになってしまうのか
というのを、もうちょっと
掘り下げていこうと思います。

前回まででいくつか取り上げた
「在庫の売れ残り」の発生パターンとして、

・主力にしていた商品に強いライバルが出てきた

・主力にしていたブランドの人気が落ちてきた

・主力にしていた買い付け先で仕入れできなくなった

というのがあって、これらについては、
まあ分かりやすいと言えば分かりやすい
のではないかと思うのです。

一方で今回は分かりづらいパターン
というか、むしろ一見すると、
良くない状況には陥りようがない
ようなケースでもそうなることがある
という話です。

結論から言うと、それは、
「いつでも売れる人気商品」を、
「それなりの利益が取れる価格」で
仕入れた場合です。

これだけ書くと、なんでこれが、
「売れ残り」に繋がるのか分からないと思います。

しかし、この「いつでも売れて」
「それなりに利益が取れる」というのは、
状況次第では、実は結構厄介な要素になったりします。

「いつでも売れる」ような回転が良い商品は、
逆に言えば、「いつ売るか」を自分で決めないと
いつまでも変に残り続けてしまいます。

では、「いつ売るか」というのを
どうやってコントロールするかというと、
「価格を下げる」というのが、もっとも
分かりやすく反応の良い方法です。

ある程度人気順が上がっていて、
継続的にアクセスが来ている状況なら
なおさらですね。

しかし、ここで、多くの人は、

「せっかく確実に売れる商品を、
それなりに利益が取れる価格で
仕入れたのに、わざわざ値下げして
売るなんてもったいない」

と思ってしまって、「いつ売るか」
という決断ができなくなってしまいます。

たとえば、135,000円で売れば、
利益が25,000円取れる商品を
手元在庫で出品しているとしましょう。

さらにこの商品は、13万円以下にすると、
そのときのライバルの価格や、これまでの
商品の反応から考えると、おそらく
すぐに売れる可能性が高いとします。

ただ、135,000円でも、特に、
手元に在庫がある状況でなら、
過去に売れた実績もそこそこあるとします。

すごくざっくり設定しましたが、
多くの人は、こういう状況下では
13万円以下に下げずに135,000円で、
なんならもっと高い価格で販売して、
1件あたりの利益をより高く取ることを
目指してしまいがちだったりします。

しかし、残念ながら、
仕入れに使える資金は有限です。

「いつか売れる可能性もそこそこ高く」
「そのときの想定利益単価が良い」
という、どう考えても「良い」商品。

ただ、在庫のうち、
こういう商品がその多くを占めてくると、
良い在庫ばかりなのに、売れてないから、
資金が回収されずキャッシュの余裕がない
というよく分からない状況に陥ります。

こういう状況になると何が良くないか
というと、キャッシュが足りず支払いが
間に合わなくなったり、ギリギリになって
慌てて現金化するのでむしろ利益単価が
落ちたり、みたいな分かりやすいことも
もちろんあるのですが、それ以上に厄介なこともあります。

それは、今ある在庫を大事にしすぎて、
次の在庫を仕入れる動き、つまり、
新しくリサーチしたり、ショップを開拓したり、
という動きが弱くなってしまうことです。

こういう動きが取れなくなるのが、
一番恐ろしいことだというのは、
前回までで詳しく説明したとおりです。

結局、仕入れに対して、
資金的な余力があまりないと、
もし目の前に良い商品が出てきても、
それを仕入れるのを躊躇ってしまいます。

上の例で言えば、当初買った在庫が
135,000円で売れるのを大事に待つ
のではなく、あえてたまに13万円で
ちゃんと回転させ資金の流動性を確保しつつ、
それをもっと買うような動きを継続したほうが
トータルの販売数が増えて、その商品で
生み出せる総利益も増えていくわけです。

ですが、それがなかなかできない。

いろんな要素が目の前の在庫に
「もったいない」という意識をもたらし、
売ることを決められなくしてきます。

ここまで来ると、もう本当に
人としてのメンタルの強さとか、
判断力、決断力の問題になってきて
BUYMAの技術を超えた領域にも
もっと手を付ける必要が出てきます。

大きく利益を出したり、
あるいは、それを続けていくには、
より次元の高い能力が必要になっていく
というのは、よく出来た話だなあとは
正直常々思いますね。

ちょっと話が逸れました。

もちろん、追加では
もうほぼ手に入らないとか、
商品の性質や状況次第では、
大事に持つのもありです。

あるいは、大事に持つ在庫は○万円まで、
というように、制限を設けるのもいいでしょう。

実際、アカデミア参加者のHさんは、
昨年末に買い付けした商品を約4ヶ月寝かせ、
先日1件で17万円という利益を生み出しました。

このように、じっくり売ることで、
リターンが大きい可能性が高いなら、
資金を限定してそういう手法を取るのは
ひとつ有効な戦術になってきます。

ただ、在庫の多くが、
「回転させるのがちょっともったいない」
と感じるような商品になってくると、
やや黄信号なのでご注意ください。

もちろん、買い付け資金の余裕が、
常に億単位で有り余っているなら、
あえて下げたりせずとも、そのまま
持ち続けて、売りたい価格で買う人が
やってきてくれるまで待ってもいいでしょう。

でも大半の人はそうじゃないはずなので、
質の良い在庫を仕入れることは意識しつつ、
それが買えたら、それを「ちゃんと売る」
ということも同じくらい意識したほうがいいですね。

ではではー。

P.S.

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