在庫販売成功者こそ3年掛けてハマる最大のリスクとは(第798回)

※2023/5/14の記事です。

こんばんは、エスノです。

5/10より、出品者の
本人確認機能が
リリースされましたね。

現時点では、目立つ場所に、
本人確認済みのマークが
出るわけではないですが、
高額商品の取引が行われるだけに、
今後はお客さんの判断材料の中でも、
それなりのウエイトを占めるかと思います。

早めに対応しておくといいですね。

さて、先日から続く、
「在庫販売のリスク」シリーズの
最終回にしたいなという気持ちで、
今私は筆を執っております

まず、簡単に復習すると、
在庫販売に関しては、実は、
多くの人の想定以上のリスクが潜んでいる。

それは、「在庫が売れ残ってしまう」
という、誰しも理解しているリスクの
さらに奥に潜んでいる。

多くの方が思う「売れ残りのデメリット」
というのは、資金が塩漬けになるとか、
赤字販売になったというようなことだが、
それはあくまで「想定内のリスク」。

ここはほとんどの人が分かっているので、
みんな「在庫を持つとき」の判断に苦心する。

しかし、実際は、買うときに
どれだけ慎重に判断しても、
予期せぬ環境の変化や、あるいは、
自分の売り方が下手だったせいで、
上記のようになることは普通に起こり得る。

慎重に「買う」のももちろん大事だが、
実はそれよりも大事なのは、

・買ったあとにちゃんと売ろうとすること

・ちゃんと売るために、その商品の
お世話(メンテナンス)をこまめにすること

というのが、これまでの内容でした。

この「売ること」を疎かにした結果、
何が起きていくのかというのが、
今回のテーマの核心です。

まず、多くの人が想像するように
シーズンがひとつ過ぎるごとに、
資金的な余力がちょっとずつ失われる
というところから始まります。

「売れ残っている」つまり資金が
在庫として塩漬けになっているので、
それはそうだという話です。

ただ、この時点で、そこまで
危機感を持つ人はそう多くありません。

なぜなら、利益はちゃんと出ているし、
仕入れの支払いも間に合っているので、

「ちょっと計算上の利益よりは、
現金の余力が少ない感じがするな」

という程度で済んでしまうからです。

もちろん、これを放置していくと、
いつかは資金がショートするわけですが、
これに対しても多くの人は、こう気付くわけです。

「そうだ、借り入れをしよう」と。

在庫を持ちながら、ある程度、
大きな売上・利益が出せると、
何百万円くらいの借り入れであれば、
割とあっさりできてしまいます。

その結果、もっと在庫が買えたり、
あるいは、変に安売りせずに、
良き価格で売れるまで待てたり
するようになることで、さらに
売上と利益は伸びていきます。

その伸びた実績をもとに、
さらに借り入れを増やす

さらに多くの在庫が買える、じっくり販売できる

売上と利益がもっと伸びる

以下繰り返し

ここまでが、在庫販売で
上手くいく流れに乗り出した人の
1~3シーズン目くらいまでの流れです。

つまり、1シーズンを半年とするなら、
1、2年くらいのスパンでの話ですね。

この間に、月利100万を何度も超えたり、
あるいは、それ以上の利益を出したりも
することでしょう。

この流れに乗った多くの人は、
その上手くいった方法を、
何度も繰り返そうとします。

具体的には、

・繰り返し売れた商品が買い付けできる
他のショップをリサーチする

・自分がよく把握できている
ブランド×カテゴリを、継続して
リサーチし続けるようになる

・優位性を把握できたショップでの
新しい商品の入荷をこまめにチェックするようになる

これらはすべて、効率よく販売するために
必須の行動パターンです。

多数の商品を少しずつ売るよりは、
少数をそれぞれ大量に販売するほうが楽です。

自分が、商品の人気や競合の状況、
仕入先の特徴が把握できている商品が
相対的に多いブランド×カテゴリについて、
さらに掘り下げるほうが楽です。

自分が割引を多くもらえていたり、
このショップはこのブランドの良い商品の
入荷が多いぞということが分かっている
ショップを見ていくほうが楽です。

しかし、これは言い換えると、

・特定のブランド×カテゴリしかチェックしなくなる

・なんなら、ごく少数の繰り返し売れている商品ばかり取り扱う

・自分が良い条件をもらえている特定のショップの入荷ばかり気にする

ということでもあります。

要するに、自分に対して、
視野を広げるような機会を
まったく与えられていない状況だということです。

これは、ただサボっている
というだけではなく、売れるからこそ、
それに付随する様々な作業に追われ、
そのためのリソースがなくなってしまう
というのも、要因のひとつとして挙げられます。

このような、

・売上と利益は結構出ている

・借り入れもそこそこしている

・微妙な在庫もそこそこ溜まってきている

・特定の商品や仕入先への依存度合いが大きくなってきている

という状況になった時点で、
あるシーズン、突然以下のようなことが起こります。

・主力にしていた商品に強いライバルが出てきた

・主力にしていたブランドの人気が落ちてきた

・主力にしていた買い付け先で仕入れできなくなった

「突然」と書きましたが、これは
数シーズン内には、ほぼ確実に
起こると思ったほうが良い現象です。

売れているのが分かっている商品は、
当然他のライバルも参入してきますし、
また、シーズンを跨ぐごとに、需要は
落ち着いていくため、売れる価格の
相場は下がってきます。

ブランドの人気も、10年も持てば
かなり頑張ったと言える方でしょう。

昨年冬の、モンクレールの
レディース商品の凋落ぶりを見れば、
盛者必衰という言葉を思い出さない
日本人はいないと思います。

また、何らかの理由で、
仕入れを頼っていたショップから
買い付けがあまりできなくなる
ということも、よくあることです。

割引条件が厳しくなったり、
取り扱いブランドがなくなったり、
経営が立ち行かず潰れてしまったり。

これらのいずれも一切起こらず、
同じようなブランドや仕入先の
組み合わせだけで、同じレベルの
売上・利益を3年以上続けられる
可能性というのは、基本的には0と思っていいです。

これを回避するには、
結局、「今」売れている商品を
BUYMAでちゃんと追いかけて、
それにともなって仕入先も探すという
基本中の基本を継続することです。

しかし、一度出来上がってしまった、
「自分の得意」の楽さと、売れるがゆえの
忙しさから、なかなかそこにリソースを
ちゃんと割り当てられなくなっていきます。

こうなってくると、あとはもう、
崖から転がり落ちるように、
成果は出なくなっていきます。

まず、売上と利益が伸びず、
在庫の溜まり方が加速していき、
資金の余力がなくなっていきます。

追加で借入して、
カバーできるうちは良いですが、
間に合わなくなってくると、いよいよ、
在庫を少し安くしてでも売らざるを得ず、
利益はさらに落ちていきます。

それでもちゃんと売れて
資金が回収できたら良い方で、
ここまで安くしてもなかなか売れない
みたいな状況になっていきます。

こうなると、目の前に
もし良い在庫が出てきても、
資金的に微妙だからどうしようと、
さらに利益が出ない判断を
してしまうことが出てきます。

そして、ここからが一番恐ろしい、
悪循環の極みみたいなところです。

先ほど、シーズンを跨ぐ商品は、
需要も落ち、供給も増える傾向がある、
と書きました。

つまり、利益を安定させる、あるいは、
もっと増やしていくには、そのシーズンの
人気がある商品を、ちゃんと扱うことが
重要になっていきます。

当然ですが、そういう商品の
在庫が一番買いやすいのは、
まだ商品の人気が分かりづらい、
シーズンの早い時期です。

もちろん、まったくの
行き当たりばったりで買ったら、
それはただのギャンブルです。

したがって、なるべく早いうちから
そのシーズンのリサーチを始めて、
人気の商品がどれなのかということを
いち早く把握するのが、かなり
重要な動きになってきます。

具体的に言えば、遅くとも
1月後半とか7月後半には、
「次のシーズンの商品を見る時間が
多くはなくても取れている」
というのが理想的なわけです。

しかし、先述の状況に
陥ってしまった出品者は、
新しいシーズンのリサーチを
始めるべき時期になっても、
前シーズンの在庫を売ることに
注力せざるを得なくなっています。

そして、気付いたときにはもう、
3月前半とか9月前半になっていて、
そのシーズンでトップクラスに
人気の商品は、多くの出品者に
すでにバレてしまっていて、
仕入れが難しくなっている。

もちろん、そこからリサーチすれば、
ある程度ちゃんと利益は出せます。

出せますが、それは
結局そのシーズンにおいて、
かなり後発でのスタートになるので、
それなりの頑張りが必要です。

そして頑張った結果、在庫買えた、
シーズン終盤にはそれなりに利益出せた。

あれ、またでもまだ在庫売り切れてないぞ…。

資金的にも微妙だから在庫売らなきゃ。

あせあせ。

気付いたらまたシーズン序盤での
リサーチに取り掛かれず…。

出遅れたけど頑張って仕入れたぞ、
それが売れて最後はなんとか、
それなりに利益出たぞ、でもまだ
売れ残りもそれなりにあるし、
以前と比べると利益の額もなかなか
伸び切らないなあ…。

実際に、私が見てきた人にも、
月利100万円を何度も超えた
知識も経験もあるのに、この
悪循環にハマってしまい、
月利10万とか20万くらいまで
落ち込んでしまったという人はいます。

あくまでイメージですが、
在庫販売を取り入れて以降、

1年目
夏30万 冬60万(利益率25%超)
2年目
夏50万 冬100万(利益率20%超)
3年目
夏60万 冬120万(利益率20%前後)
4年目
夏40万 冬90万(利益率15%前後)
5年目
夏20万 冬50万(利益率10%前後)

こんな感じの推移になってしまいます。

効率良く伸びるからこそ、
忙しさも相まって、そこに
安住してしまうことと、その時点では、
致命傷になり得ない量の在庫が
少しずつ積み重なっていくことが、
数シーズン後に、すべての作業を
後手に回さざる得ない要因として、
時限爆弾のように作用してしまう。

かなり長くなってしまいましたが、
これが「在庫が売れ残るリスク」の核心です。

厄介なのが、
数年掛けて起こる現象のため、
ほとんどの人が、そこにすでに
片足をすでに突っ込んでいる
ということに気付けないということです。

ということで、
一昨年、昨年くらいから
在庫販売の割合を増やして、
それなりに成果を出せた方は、
微妙な在庫がちょっと残っているぞ
という状況なら、ぜひ気を付けてください。

もし今の時期でも売れるものなら、
さっさと売ってスッキリさせてしまいましょう。

秋冬モノが残っている方は、
もう少しで、気の早いお客さんが
買ってくれる可能性があるので、
そこでもう売ってしまいましょう。

在庫にした商品をしっかり売り切り、
時間的にも資金的にもリソースを
余らせて、常に先手先手を打てる
ような体制を整えておく。

これが、BUYMAで
利益を効率よく上げ続けるために、
今最も適切なスタンスだと思います。

ではではー。

P.S.

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