※2017/5/26の記事です。
こんにちは、エスノです。
前回のメルマガで予告しましたが、
「価格競争」というやつについて
ちょっと書いてみたいと思います。
一般的に「価格競争」
という言葉だけ聞くと、
嫌なイメージを持ってる方も
多いんじゃないでしょうか。
自分の出品した商品を、
他のライバルも出品してきて、
お互いがより売れやすいように
価格を下げあってしまい、
結局利益が目減りする…。
あるいは、すでに、
そういう状況になりかけている商品を
あとから自分も出品しようとすると、
利幅が少なすぎて旨みがない…。
BUYMAをやっていれば、
誰もが経験することのひとつだと思います。
この現象“だけ”を見ると、
けして歓迎されるものではありません。
ただ、ちょっと視点を変えて、
もう少し大局的に考えてみると
価格が下がることに隠された
大きなメリットがあることが分かります。
たとえば、ある商品が、
10万円で売れたとします。
しかもそのときの仕入れ価格は6万円で、
4万円の利益だったとしましょう。
(話を分かりやすくするために、
BUYMA手数料とかは無視します。)
そしてこの商品はここ4ヶ月で2個売れていて、
ライバルは他にほぼいません。
先ほどの「価格競争」の話から考えれば、
独占的に販売できている嬉しい状況です。
しかしここでちょっと考えてほしいんですが、
果たしてこの状況というのは、
この商品から得られる利益を
“最大化”できているんでしょうか。
言ってしまえば、上記の例は、
「4ヶ月で8万円の利益」です。
1ヶ月あたり2万円と考えれば悪くない、
そういう発想もアリだとは思います。
では、もしライバルが現れて、
突然8万円で販売し始めたらどうでしょう。
今まで4万円も利益があったのに、
こいつのせいで一気に利益が目減りだぐぬぬ
と思うかもしれません。
これだけ価格差があると、さすがに
10万円のままでは対抗しきれないので、
自分も同じくらいの価格に値下げして、
利益単価は2万円になったとしましょう。
これは一般的にイメージされる
「価格競争」かもしれません。
しかし、販売価格を下げたおかげで、
直近4ヶ月の二人の販売数の合計が、
8個になったとしたら。
「4ヶ月で8万円(4万円×2個)の利益」
を生み出す商品だったのが、
「4ヶ月で16万円(2万円×8個)の利益」
を生み出す商品に変わりました。
つまり何が言いたいかというと、
「価格が下がると、需要全体が増える」
という、言われてみれば当たり前のことです。
経済学ではこの現象をグラフに表して、
「需要曲線」と読んだりしています。
BUYMAでの例としては、ステラ・マッカートニーの
ファラベラトートが分かりやすいです。
今でこそBUYMAでずっと売れ続ける
定番の人気商品で、その影響もあって、
最近はステラ自体のブランドランキングも
常にTOP10前後をウロウロしています。
しかし、私がBUYMAを初めた頃から、
数年前くらいまで、この商品はここまで
しょっちゅう売れているわけではなく、
セールのときだけ売れるような商品でした。
またステラ・マッカートニー自体のランキングも
よくて20位くらいという感じでした。
それが、最近はショッパーさんたちの
買い付け力の向上によって仕入れ値が下がり、
結果として売り値も下がって、BUYMAで
売れない日はないくらい売れ続けているわけです。
先ほどの例でも同じですが、こうやって
価格が下がることで拡大したマーケットの中で、
出来るだけ多くのシェアを確保できれば、
その商品が生み出す利益を最大化したと言えるでしょう。
特に、価格の低下による需要の増え方は
一次関数的ではなく、ある価格を境に急激に増える、
指数関数的、あるいは、グラッドウェルの
「ティッピング・ポイント」的な印象があります。
その需要が急増する価格を見極めずに
独り善がりな高価格を設定して、
「自分は利益単価高い!」と息巻いても、
それは実は「ただもったいないだけ」
な可能性があるということですね。
もちろん、過度な“投げ売り価格”は、
意味が無いので設定すべきではありません。
あるいは、確保できる在庫の数が少ないのに、
その価格を何も考えず下げるのも愚策です。
ただ、ライバルが存在して価格が下がる
という事象だけ見たときに、それ自体は
別に悪いばかりではなく、実際のところは
その競争の中で「利益を生み出す力がないこと」
が諸悪の根源なわけです。
それは、安い買い付け先をちゃんと
見つけられなかったり、仕入れ値の
計算がちゃんと出来ていなかったり、
あるいは、人気順の上げ方が下手だったり、
ライバルの特徴が把握できていなかったり etc
という、「価格競争」に無関係なことが原因です。
繰り返しますが、安く出品することを
全面的に肯定しているわけではありません。
「その商品を一つ売る」という
発想にだけ囚われずに、もっと
BUYMA全体での需要、つまり、
お客さんの購買動向について
目を向けたときに、別の着眼点が
生まれてくるということです。
その商品から得られる利益を、
どうすれば“最大化”出来るか
という発想は、効率的に
利益を生み出すためには
必須の考え方なので、
ぜひ意識してくださいませ。
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