創業者の「ある言葉」に怒りを覚えました。(第783回)

※2022/10/1の記事です。

こんばんは、エスノです。

さて、昨日に続いて、
エニグモの第2四半期決算について、
気になったことを書いてみたいと思います。

■2023年1月期第2四半期決算補足説明資料
https://enigmo.co.jp/wp-content/uploads/2022/09/ir_20220914_YKK3_2.pdf

いくつか気になった点はあるのですが、
ひとつは海外セレクトショップの
出品体制を引き続き強化していく
ということ。(p.05)

これについては、
以前のメルマガで書いたように、
ものすごく脅威にはならないと考えていて、
実際に今のところその印象の通りです。

参考:海外ショップが参入してきても問題ない理由(第722回)

http://steermylife.com/2379.html

というか、そもそもそういう動きって
ちゃんとやっているの?というくらい
それらしい出品者が増えていないんですが、
これについては以下の動画の中で、

https://www.net-presentations.com/3665/20220914/ahdekfi/

「ショップ自身が出店すると大変だから、
間にショッパーに入ってもらっている」

というようなことを言っていて、
「なるほど」となりました。

そういう視点で見ていくと、確かに
それっぽい動きをしている出品者が
何名か思い当たるような気がします。

仮に私の思い当たる出品者が
そういう現地ショップとBUYMAの
仲介者的な働きをしているとして、
やはり大きな脅威にはなっていません。

もちろん、局所的に、つまり、
商品単位で見ていったときに、

「この商品について現時点では勝てない」

ということはあります。

しかし、それは別に
このような特殊な仲介者によらず、
BUYMAでは普通にあることで、
その「普通のこと」を大きく逸脱するほど
手強くはないということです。

次に気になったのは、
超優良会員による取扱高は、
第1第2四半期の半年間を通して、
対前年比で成長を維持しているということ。(p.13)

超優良会員というのは、
前期で50万円以上購入したユーザーを
指しているわけですが、これは要するに、
「お金を持っている人」の動向は、
この環境下でもさほど以前と変わっていない
ということです。

「だからハイブランドを出品しましょう」
というのはちょっと短絡的すぎますが、
そこをあえて避けるようなことをする必要は
全然ないわけですね。

実際、7月くらいから、
冬物のアウターの中でも
高額な商品がバンバン売れていました。

そして、実は私が一番気になった、
というか、もはやちょっと不愉快でさえ
あったのが、上述の説明動画の中で、
社長が自社のことを「ベンチャー」だと
称していたことだったりします。(3:48あたり)

正直、思わず「は?」と声が漏れました。

ご存知だと思いますが、エニグモは
現在東証プライムに上場しています。

東証プライムとは、旧東証1部を引き継いだ、
いわば日本を代表する株式市場です。

そこに上場する企業の創業社長が、
いまだに自社をベンチャーとは…。

そういう心構えなんだなというのが
ふとした言葉選びに見て取れてしまい
割とガッカリしてしまったわけです。

もちろん、人員の規模感や
組織体制から、そう言いたくなる
気持ちは分からなくはありません。

あるいは「ベンチャーマインド」
のような意味合いで使うなら、
むしろ歓迎すらしたでしょう。

しかしながら、動画の中で、
そういう意味では使われていません。

これを聞いたときには、本当に
「何を甘えたこと言ってんだ」
と思いましたが、まあもう
そういうものだと理解しておくしか
私達にできることはありません。

最後はただの愚痴みたいな話でした^^;

ではではー。

P.S.

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2ヶ月で30件しか受注のないプレミアムから学ぶべきこと(第782回)

※2022/9/29の記事です。

こんばんは、エスノです。

前回のメルマガから早3ヶ月、
皆様いかがお過ごしでしたでしょうか?

私は、7月・9月と、娘の幼稚園が
コロナで休園になりまくりつつ、
相変わらず日本全国を飛び回っておりました。

仕事ではもちろんですが、
家族との旅行が2回と、3年ぶりに開催された
好きなアーティストの全国ツアーが5都市10公演あり、
久しぶりになんかもうバタバタしていた感じです。

というのが、メルマガが
3ヶ月も空いた言い訳なわけですが、
その結果、前回のメルマガで話題にした
第1四半期決算から一度も配信することなく、
第2四半期決算を迎えてしまいました…。

ということで、今回はそれについて
いくつか取り上げてみたいと思います。

■2023年1月期第2四半期決算補足説明資料
https://enigmo.co.jp/wp-content/uploads/2022/09/ir_20220914_YKK3_2.pdf

今年の5~7月の決算なので、
時期的には為替、特にドル円が
さらに大きく円安に動き出したタイミングで、
外部環境としては前四半期に引き続き、
なかなかハードな時期のものです。

その結果、前四半期から引き続き、
対前年比で減収減益となっており、
前回も書いたように、いよいよ
「現状のままでは頭打ち」感が強くなっています。

ただ、コンサル生の受注状況など
私が観測できる範囲で感じていた感触としては、
減収は当然として、総取扱高は対前年比で
6.5%減だったので、まあそんなもんだよな
という印象で、思ったよりは悪くなかったです。

これも個人的な感触ですが、7月後半からは
それなりに戻ってきている感じがするので、
次の第3四半期決算は、もうちょっとマシな
発表になるんじゃないかなと思っています。

こういった状況を受けて、BUYMAも
ようやく重い腰を上げたというかなんというか、
ここに来て広告費と人件費をに、
そこそこお金をかけ始めました。

まあ広告費については、もう6月に
キャンペーン的にTVCM打っているので、
それに伴う支出が大きいと思うんですが、
人件費にお金かけているのはいいことです。

(退職が増えて単純に人員補充しているだけ
という可能性もなくはないかもですが…)

一方で、現預金で120億近く持っている会社のくせに、
前期比で1億2億多く使ったところで、
「うちはしっかり事業投資しています!ドヤ!」
みたいな顔をされても困りますので、
ここは引き続きお金を使い続けてほしいところです。

さて、個人的な感触として、という話を
先程書いたわけですが、実際のところ、
コンサル生の受注状況を見ていると、
割と分かりやすい傾向が見えてきます。

それは何かというと、

「ちゃんとやってる人は別に成果落ちてない」
(むしろ伸びている)

ということです。

青木さんと8月の頭に実施した、
twitterのスペース機能を使った対談
でもお伝えしたのですが、なんと
今年の前半(1~6月)の成果が
青木さん自身の売上・利益としては、
過去の同時期の中で一番良いのです。

(この対談はyoutubeで後日アップ予定ですが、
私がやり方が分かっておらず放置中…。)

他にも、単月での過去最高益を
今年の夏に達成した方も複数名いますし、
最高益まではいかずとも、それに近い水準で
悪くない利益を出し続けている人も普通にいます。

以前からお伝えしているように、
「成長」が鈍化しているとは言え、
BUYMAの市場の規模自体は
半年で約300億とかなり大きいので、
これは当然といえば当然のことです。

しかし、こんな人ばかりでは、
全体の取扱高が減ることはないので、
どこかに「割りを食っている出品者」
というのが存在します。

それはどんな出品者なのか。

これも先日Twitterでちょっと書いたのですが、
先月、とあるプレミアムショッパーが、
直近2ヶ月で受注が30件ほどしかない
ということに気が付きました。

このショッパーさんは、キャリアも長く、
出品数も常に1000件くらいある方で、
出品している商品を詳しく調べると、
条件の良い買い付け先も多数持っていて、
価格も割と安く出品しています。

なので、さすがにちょっと売れてなさすぎる、
夏はちょっと休みしたのかなと思い、さらに
2ヶ月さかのぼってみたのですが、その期間も
同じく30件ほどしか受注はありませんでした。

このプレミアムショッパーさんは、
良い買い付け先があるのを強みとして、
価格を安くたくさん出品することで、
これまではそれなりに利益を出してきました。

しかし、言ってしまえばそれだけでした。

リサーチやメンテナンス、仕入先の開拓、
在庫販売の併用など、それ以外には
特に工夫している様子はほとんどありません。

ものすごく大雑把に言えば、
これから割を食う出品者は
こういう人たちです。

これまではBUYMA全体の成長に伴って、
差はあっても、みんなで利益を伸ばす
ということが理論的には可能でした。

(実際はもちろんそんなことはないですが)

しかし、全体の成長が頭打ちになると、
これまでは「表面的な強み」でなんとなく
成果を出せていた人が思ったように利益を
出せなくなる一方で、利益を出すための
密度が濃い活動をしている出品者の方に
お客さんが偏っていくことになります。

逆に言えば、これまで私のメルマガや
「BUYMA in REASON」で伝えてきた
原理原則から考えて本誌的に重要なこと
というのが実践できている人にとっては
さほど大きな影響はないということです。

さすがにBUYMAの特性上、
今年の秋冬くらいまでは、
まだ今までの「表面的なやり方」でも
おそらく多少は通用します。

これを「ほらやっぱり大丈夫じゃん!」と
仮初の安心材料にするか、それとも、
先述の決算資料やプレミアムショッパーなどの
「明確な事実」を踏まえて、「今年はなんとか
命拾いした…」と捉えるかは、
人それぞれの自由ではあります。

できれば私のメルマガなどの
情報を受け取ってくださっている方には、
後者の態度でいてもらったほうが、
少しでも長くBUYMAで成果を
出し続けられるかと思いますので、
ひとつ参考にしてもらえれば。

ではではー。

P.S.

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テレビCMの実際の効果のほどはどうか?(第781回)

※2022/6/27の記事です。

こんばんは、エスノです。

金曜からBUYMAのTVCMが始まりましたね。

私もその日の晩に流れているのを
たまたま見ることができました。

あまりテレビを見るほうではないので、
すごく運が良かったか、めっちゃ
頻繁に流しているか、あるいは、
CMのターゲティングがすごく
上手いかのいずれかですね。

今回はいつものように、
セール開始に合わせて
スポットで流すものではなく、
普通にしばらく流し続けるようです。

■CM詳細

https://enigmo.co.jp/wp-content/uploads/2022/06/press20220624.pdf

あとはさりげなくこういう
web系のメディアでの露出も
やっていたりします。

https://twitter.com/BuzzFeedKawaii/status/1539940597506899968

先日の決算で発表されたように、
これから年末までかけて、TVCMを中心に、
BUYMA自体の認知度を高める施策を
継続的に行っていくわけです。

コンバージョン的には、
凄くインパクトがある効果が見込める
というものではありませんし、実際に
数日経ってみて、今のところは
顕著に売れ行きが良くなったという様子もありません。

ただ、これによって、BUYMAへの
アクセス、内部での回遊が増えるのは
間違いないので、特にメンテナンスを
しっかりやっておきたいところですね。

さて、その決算ですが、まあ
あんまり良い内容ではなかったですね。

■2023年1月期第1四半期決算補足説明資料
https://enigmo.co.jp/wp-content/uploads/2022/06/ir_20220614_NAC2.pdf

今年の2~4月の決算なので、
時期的にはちょうど戦争が始まり、
為替が大きく動き出したタイミングで、
外部環境的にはなかなかハードな
時期ではあったと思います。

とは言え、減益はともかく、減収、
つまり、売上、引いては、総取扱高が
前年を下回るというのはちょっと予想外でした。

上記資料を見ると、
その要因のひとつっぽいことに、

「Googleでの広告掲載に不具合」

みたいなページがあるんですが(p.9)、
よく見るとこれは英語版の話で、
全体から見たら微々たるものなんですよね…。

なので、ここまで順調に、
ぶっちゃけほぼ何もせずに
(と言ったら事務局の人は怒るでしょうが)
高成長を維持してきたBUYMAも
いよいよ頭打ち感が出てきたなあ
という印象が否めないと思います。

ただ、個人的には、まだやれることは、
それこそ今回のCMもそうですが、
いくらでもあると思っているので、
そんなに悲観しているわけではありません。

前年を下回ったと言っても、3ヶ月間で
150億円の取引が行われる市場である
ことに変わりはないわけで、私たちが
商売をする規模としては十分です。

私がBUYMA始めた頃なんて、
1年間の総取扱高が
100億もなかったんですから、
それと比べたら雲泥の差でしょう。

(もちろん様々な環境が当時とは違いますが)

ということで、全体のことはあまり気にせず、
引き続きやるべきことをしっかりやっていきましょう。

ではではー。

P.S.

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